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[勝手知ったる他人の家。
そんな堂々とした足取りで楼台の中を歩いていく]
誰かいます?
[床と踵がぶつかる高い音が響いている]
…、――…?
[まばたきを。
一瞬した、その間に。
満足げな表情を浮かべた女性は、花ごと消えてしまって。
ただ、瞬くしかなく。
半分くらい自分のせい>>1とは夢にも思わなかった]
[転送の力が塔へと働いたのを感じ取り]
…おやおや。大広間の水晶からおでましか。
[淡く輝く紫水晶のピアスに触れて塔の中の様子を再びサーチする。
水晶からの転送先を感じ取ると、ぱちんっ、と指を鳴らしてその付近の明かりを灯してやる。
灯した明かりは途中で二手に分かれている。
一つは通路の奥へ。もう一つは上の階へと続く階段へ。]
…どっちへ行くも来るも自由さね。
[それだけつぶやくと、視線を千里眼の水晶に戻し、再び館の様子を見物。]
[リウの様子>>4に、先程の2人のやり取りを思い出し。
塔のあるだろう方角を仰ぎ見た。
と、花瓶から、呼ぶ声。
確かそれは、着いた日に、やっぱり情けない顔をしていたヒナに挿した花]
『知りたい?知りたい?』
[…。
しばし、考えてから。
ふるり、首を振った。外は、未だ夜のようだったから]
・・・ん?あれ?
バラの花束しょってくる保健室の王子が消えた?
[またつまみ聞きを適当につなげている。
自分が食後にうたた寝でもしてしまったのかと、きょろきょろと見回すがヒヨコがピヨピヨ鳴いているだけである]
また黒魔法使いか?黒魔法ってか、むしろイリュージョンみたいだったが。
[ヒナが水晶玉に触ったのは見てなかったようだ]
[大広間の喧騒も知らずに、二股に分かれる光の道筋に立ち止まる]
魔法というより、お化け屋敷みたいだと思うのは悲しい大人なのかしら。
[右足を振って、靴を脱ぎ飛ばす]
こっち、と。
うわぁ、何この心臓破りみたいな階段。
[ほどなく、ぜぇぜぇはぁはぁ言いだして足取りは重く]
[ヒヨコと戯れている茶羽を撫でながら、>>6をありありと想像して、似合う、とか思っていたのだが。
>>7が聞こえ]
…、
[指で×印を作って。
ムカイとリウを指し。首を横にふるり]
[何羽かのヒヨコが後を着いて来ていることに気付いた。
一緒に水晶に触れていたのだろう]
………。
[しばらく見詰め合う]
あははは、捕まえてごらんなさい〜!
[などと気晴らしをしながら、最上階に辿り着いたのはどれほど時間が経ってからか本人は知らない]
―最上階―
[光が漏れる扉に近づき、ノックを2回]
もしもし亀よ亀さんよ。
お母さんですよ、扉を開けて。
[甲高い裏声]
[いつもの仕草。指をぱちん、と鳴らして扉を開いて。ノックの声の主を迎えるのは暖炉の灯った温かな部屋と魔女と小さな少女と、腕利きの料理人もまだそこにいるだろうか。]
…やあ、いらっしゃいヒナ先生。
すまないねぇ。触れたもんを無差別に転送するような魔法をかけおってあの弟子は…そういうのには普通キーワードを設定しておくもんだよまったく…いや、弟子への文句は気にしないでおくれ。
とりあえずは茶でもどうだい?
[階段を昇って息が上がってるであろうヒナに烏龍茶を勧めた。]
―回想―
[一つ水晶から、皿の割れる音。
そちらをみればホームグラウンドが映っていた。
漏れ聞こえる様々に耳を傾けつつ。]
…ありゃぁ。怪我したもんはいねえか、うむ。
あーあ、俺の大事な場所を襲いおって… ははは、面白え奴らだのぅ。
腹ぁ減ったんかね、飯でも作ってやりてえが…
バナナチップス?
そんなんあったんか、知らんかったわ。
…アンさんが買い込んでたんか?
[ひとつ意外な趣味を知った気がした]
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