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[肩から飼い猫が下り、何が起きたのか把握出来ずに居ると、一羽の兎が目の前に現れ声をかけてきた>>#2。
言葉を発していることにも驚きだが、彼は二足歩行でウミの前に立っている]
おんやまぁ。
[驚きを隠せぬまま見遣っていたが、そんな様子もお構い無しに兎は捲くし立て、言うだけ言ってこちらの返答も聞かずに跳ねて消えてしまう]
…不思議なこともあるもんじゃ。
のぅ、海守?
[飼い猫に声をかければ、地面に座った状態で不機嫌そうに尾を振られた。
低い鳴き声は、めんどくさー、と言っているよう。
何となく、飼い猫が言いたいことが分かったような気がして、ウミはおかしげに笑った]
やれやれ、こんな年寄りが力になれるとは思えんが…。
頼まれたとあれば仕方あるまい。
[色々と分からないことだらけではあるが、あの兎が困っているらしいというのは理解した。
放っておくことは出来ないと思い、ベンチから腰を上げ軽く身体を伸ばす。
そうしてから先ずは展望台に落ちてはいないかと探し始めた*]
……あー。
[がじ、と頭を掻く。
さて、どうしたものか、と思いながら改めて周囲を見回した。
今いる場所も公園のようだけれど、見知ったそれとは似ていて違う。
そも、さっきまでいた公園にはこんなあちこちに朝顔はなかったはずだ]
……てか、随分静かだな?
[騒々しいのがいなくなって、改めて気付いた事。
あれだけ賑やかだった子供たちの声は聞こえず、姿も見えない。
本当に誰もいないのか、ともう一度、見回した視界に人の姿はあるか、どうか。**]
[頷く格好がやけに恭しくて、くすりと笑いを零しては]
うん、頑張って。ゼンちゃんなら心強いわ。
大変ね、それは。今度冷たいものでも差し入れに行こうかしら
[当代さんともそれなりに親しくはしている故、夏場に顔を合わせられないのはちょっぴり寂しいような。
冷たいものはそこらにあるだろうけれど、ふとそんな提案を。]
予算…なるほど。
あたしなら喜んで払っちゃうけど。ゼンちゃんもお疲れ様、ね
[当然にあるものと思っていたけれど、楽しみの影であれこれと努力しているようで
冗談めかした口調にも話を聞けば労って。
ふふ、ありがとう。心待ちにしてるわ
[笑みを浮かべて頷いてみせる。
メモを取り終えたのか、携帯を帯に挟み込む様子に
精密機器と和装の組み合わせは、なんだか不思議な感じもする。]
あら、そうなの?
[時計を覗き込むのを見て、気付けば時間が回っていたよう。
あたしもそろそろ戻ろうかしら、と]
うん、じゃあまたね
[ひらひらと手を振って見せて、子どもたちとのやり取りにくすりと笑って
彼が去っていくのを見れば、ママさんたちに軽くお辞儀を。
反対の出口で公園を後にしては、家までのちょっとの道のり。]
[並木道を行こうかと考えたけれど、なんとなしに小路のまま。
住宅地の角を曲がればふと、その先に]
…あら?
[白い影が、ぴょんぴょんと。
この辺に兎なんていたっけ、とじっと目を凝らしたら]
あれれ?
[そこにはもう、白い姿は見えなくて。
照りつけられたアスファルトが、ゆらゆらと陽炎を作るだけ。
気の所為かしら。
おかしなことがあるのね、なんて気にも留めず
ふらり、足を踏み出して。]*
[兎を見失った初音は、ヴァイオリンケースを胸の前で抱え直し、
きょろきょろと周囲を見渡す。
展望台へ向かう遊歩道は町より高くなっているので、
景色がよく見えた。
とはいえ、初音は滅多にここへ来ない。
町のようすが変わっているのか、それとも元のままなのか、]
……わか、らない……
[海辺の町なのは同じだし、目立つ建物がないところも同じ。
だが……
故郷ではなく、
高校生活のために越してきただけの初音は、
町に興味がなかった。]
[ヴァイオリンの恩師が隠棲するまで、名前すら知らなかった町なのだ。
そのことに改めて気づくと、初音は酷く不安に襲われた。
青い波。
校門前で、そしてついさっき見たあの波が幻覚ならば、]
兎も……?
[考えながら、遊歩道の片側の手すりにすがろうとして、
初音は立ち竦む。
ついさっきまで、あちこちでペンキの禿げた手すりは古かった。
それが新しくなっている。]
嘘……
[ヴァイオリンケースと学生鞄をぎゅっと抱きしめると、
初音は後ずさった。]
[今も続く歌声はどこから聞こえてくるのか。
近いようでもあり、遠いようでもあり。>>#3
しばらく耳を澄ましていた初音は、
この歌声こそが不安をかきたてるのではないかと思った。
ときおり不協和音の混じったメロディは、高く、低く。
聞く者を落ちつかない気分にさせる。
あのアブラゼミの合唱のごとく、
不愉快で、不規則な音の羅列に歌声を付けたかのよう。
ヴァイオリンケースと学生鞄を片手に提げ直し、
初音はおそるおそる老人>>7と猫>>6に近づいた。]
あのう……
何か探し物ですか?
[背中を向けていたのは、初めて見る顔だったろうか。
それとも、どこかで出会ったことのある相手か?**]
[カランコロンと下駄が鳴る。和装は着付けもやるし、お客の評判も良いから着慣れたもんだ。
幼馴染みとかは、おっさん臭いって言いやがるけどな。
あー、朝顔が咲いてんなあ...最近グリーンカーテンとかで、結構、植えてる家が増えたよな]
にしても、あっちい...
[出際に持ち出した店の名前の入った団扇で、ぱたぱたと顔を仰ぐと、ちったあ涼しい気がするのは、海が近くなったせいかな。
気のせいか、波の音も近く...ちか、くぅ?!]
近すぎるだろっ!!
[思わず突っ込み入れた俺の目の前に、ざん、と、白い波頭、つーかこれ、ほとんど海の中ですから!]
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