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ば、ばあちゃん、ひとが死んでるんだ。
どどどうなってんだよ、これ……。
[ボタンへは混乱の顔を向け。そして警察による調べが始まった。
が、その警察の話には唖然とする他なく、]
は?! 死んでたのはネギさん?!
いやまさか。全然、別のひとっすよ。あれ。
一体、どうなってるっすか。
板前さんも居なくなってるそうだし……、
幾人かが集められ、不可解な事件が起きる。
まるで、ネギさん著のあのミステリー小説っす。
[霧中にふらふらしていた足が、庭園が見える位置で止まる。]
警察が嘘をついてる?
もしくは事実あの死体がネギヤだとしたら、…オレらが知ってるネギさんは何なんだ。
あたしに分かる訳ないじゃないですか。
[家に入ると警察に誘導され、昨日あった人たちの顔を不安そうに見ながら、引き気味の足取りで応接間に入った。
意を決して一瞬だけ死体を見て、すぐに顔を逸らす]
寝てるんじゃないんですよ、ね? 病気?
ええと、ネギヤさんの、ような……気がします。
[もう一度、と言われ、押し問答の挙句の結論は『よく分かりません』であった]
だから、違うって言ってるでしょう。
おネギはもっと色白でもち肌でふっくらしてて、手だってなんかグローブみたいだしあんなスリムなズボンをはけるような体型じゃないのよ。
[廊下で警官に質問される。
何度聞かれても、自分の中のネギヤは一人しかいない。最初は震えていた声も、だんだんと落ち着いて抑揚が無くなっていく]
だって。それに……
[爽やかな朝の気配に目を覚ます。
障子越しに差し込む日差しは柔らかく――
寝床でしばしの微睡みを楽しむ。
そういえば昨夜は、ネギヤの屋敷に泊めてもらったのだったか。
夕飯に振る舞われたガモンの料理も格別で――]
[ゆるりと首を振る]
昨日だってガモンさんが作ってくれた懐中時計……あ、貝料理よ? 食べ続けてておなかぽっこりだったし。すごくおいしかったの酒蒸し。あなたも一度彼のお店に行くといいわ。
ねえ、家を捜索したなら、ガモンさんはいなかった? 左目のところに傷がある……
[尋ねてみても、芳しい返事はない。
唇をとがらせて、ため息*]
ちょっとまってくださいよ、あの人がネギヤ先生じゃない?
作家デビューされたころから別人が入れ替わったって、そんなミステリーではあるまいし…
第一、幼稚園の園長先生や幼馴染の方までいらっしゃる人が入れ替わることなんて可能なんですか…?
[ 困惑しつつも、男は取り調べに応じていた]
……………
……あの、この方、どちら様です?
[ネギヤとは似ても似つかぬ、にもかかわらず警察がネギヤ本人であると主張する、その人物の遺体を]
ネギヤさんですって? まさか。
ネギヤさんはもっとこう、大福のように白くて丸い方ですよ。でもこの方は色黒て硬そうで、まるでカリントウじゃないですか。
[ばかばかしい、とでもいうように首を振った。
そういえば、ガモンの姿が見えないがどこにいるのだろう。昨日の料理のことを話したいと思っていたのだけれど]
板前さん?
……いえ、分かりません。
[ガモンについても尋ねられるが、首を横に振る]
あの……さっきお願いした通り、あたし、ネギヤくんに預かってもらっているものがあるんです。
書斎、見せてもらえますか?
[白い顔のまま依頼をし、書斎に向かう]
いったいどういうことでしょうか……
[警察の聴き込みに答えながら思案顔]
ええ、確かに幼稚園以来会っていません。
でも、昨日大福を食べながら話していたのがネギちゃんだと……
そんな、一晩であんなに様子が変わるとは思えませんわ。
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