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ええと。それはその。
[>>11聞かせるつもりはなかったから、聞かれたとなるとばつが悪い。]
……街の近くには狼がいない、狼を見たことのない人が多ければ、人狼の信憑性だってなくなる、それだけです。
[あまりフォローになっていないフォローを返した。]
僕は旅が多いから、狼も見たことはあるけれど。人に化けられるような狼が居るのなら、人を食わずとも牛でも鳥でも食べればいいでしょう。狩と違ってお金を出せば食べられるんですから。こんな風に。
[最後の言葉は、肉を焼く音のする調理場を指してのもの。
宿屋の息子と緑髪の少女が、黒髪の少女を宥めていたなんて知らないから、声は普通の音量だった。]
信じられないのも当然だけど……
現実に居るんだからしょうがないよねえ……
[はあ、とため息をつきつつ、普通の声量のラウリをあわれんだ目で見ていた。]
うう……がんばる……
[ウルスラの激励だかからかいだかわからない言葉にはあ、とため息をつき。
普通の声量のラウリにあわれんだ視線を向けた。]
あー……そんなこというと……
[ドロテアが怒る、という前に。
少女ががたりと椅子をたって声高に人狼を見たと主張をし始め。
あーあ、と額に手を当てた。]
[ドロテアは、人狼を否定する...の言葉に、「人狼はいる」「見たもの」との言葉を返してきた。]
……「見た」って言われても。
[緑髪の少女に「人狼を鳩に変えられないか」と問われれば、]
僕はまだ見習いですから。師匠ならきっとできるでしょうね。
[そう言ってポケットからカラフルなボールを取り出した。それをドロテアに向けて。]
いいですか、お嬢さん。ここに取り出しましたるは魔法のボール。種も仕掛けもございません。
さあテーブルに置きましょう。ボールはここにあります。貴方は確かに「見」ましたね?
[大仰な動作で、周りの注目を集め、シルクハットを帽子に被せる。]
確かに確認したのなら、この帽子を被せましょう。ここに確かにボールはある! だって貴方は見たのだから。
[ドロテアが頷いたのを確認して、にやりと笑う。それはずいぶん意地の悪いものだったろう。]
はい、ワン・ツー・スリィ!
[シルクハットを取り去れば、そこにボールは跡形もなく。
あっけにとられたドロテアと、拍手を待つ手品師が残るのみ。]
[ドロテアをとめようとした手は空を切る。
ラウリとドロテアの間で繰り広げられる小さなイリュージョンは、しっかり目に入った。]
消えた……
[ぱち、ぱち、とまばらに拍手。]
―― 宿の一階 ――
ドロテアはラウリの手品にあっけにとられてぼんやりとボールがあった場所を見つめていました。
アイノに手を引かれて、「謝って」と諭されても口をへの字にしてラウリを睨みます。
「ほんとうに、見たんだから……
信じなくて人狼に襲われたって、知らないんだから!」
叩きつけるように叫びました。
そしてドロテアは絶対謝らないとばかりに背を向けて、元の席へと戻るのでした。
[叫んで背を向けたドロテアの様子にやれやれと肩をすくめ。
幼馴染のペッカが静かに一部始終を眺めていたのなら、もうどうしようもないというような意味を込めた視線を向け。]
どーしてあそこまで信じ込めるんだろう……
女の勘ってやつなのかなあ…
[ひそひそとドロテアに聞こえない程度の声でぼやくのだった。]
いるわけないじゃない。
[小さく小さくつぶやいて、ドロテアの座る席へ戻る。
ベルンハードとドロテアの顔を一度ずつ見てから、テーブルに並ぶパンケーキにナイフを入れた。*]
ふぅ。
[激高するドロテアを見て、ため息。
あまりにも予想通りの反応をされて、つまらない……などと思いつつ、ミルクを一口。]
[ウルスラ>>23にそうかもなあ、と頷きながら。]
まあ、土砂崩れが取り除かれれば、きっとドロテアだって人狼のことなんか忘れるよなあ。
[とはいえ、いまだに復旧の目処は立たず。
街側で土砂の撤去作業が行われていたとしても、あと数日はまだ確実に閉じ込められたままだろう。]
ラウリもさー、あんまドロテア刺激しないように頼むよ。
[な?とミルクを飲むラウリ>>25に声を掛けて。
それから、ようやく自分の食事も頼む。]
ゆっくりと日が傾いて、夜の闇が町をおおいます。
すっかり拗ねたドロテアは、それでもアイノと会話をしたりしながらパンケーキをつつき。
星がでて月明かりが道を照らすころにようやく家へと帰るのでした。
人狼を見た、と少女が騒いでいても未だ平穏なこの町で。
惨劇が起きるのは*二度目の朝日を迎えたころになるでしょう。*
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