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ひゃっ……!
[雪に足を取られたが、とっさの受身は完璧だった。
立ち上がった世界の真ん中には凍った噴水。そして、その向こうにも人影を見つける]
あの、ここって何かクリスマスでウィンタースノーみたいなイベントとかやっているんですか?
[動じているようには見えないズイハラへ尋ねながら、コートについた*雪を払った*]
売り子 オトハは、ここまで読んだ。[栞]
てゆーか……誰?
[理由のわからないいらいらから離れたくて、浮かんだ疑問をそのまま問いかけた。
すぐ近くには人はいないはずなのに、とそんな事を思いながら]
………………ナニコレ。
[ロック画面の時計表記が『--:--』になってるのを見て。
眩暈を感じたのは、きっと、気のせいじゃない。**]
[誰かが居る>>18。
女性の問いかけは耳に届いていたのだが、男は一度辺りを見回した。
それにより近くに自分しか居ないことに気付くと、自分に声をかけたのだとようやく受け止め、改めて女性へと瞳を向ける]
……分からない。
[そもそもここがどこなのかも分からない。
そうは考えても言葉に出したのは一言だけ]
今まで居た場所じゃない。
二足歩行の兎が、……
…『時計』が直らないと、出られない、と。
[室内に居たはずなのに外に居たのだ、男はそれを断言出来る。
だが、ここがどこなのか問われてしまうなら、男も流石に困った表情を浮かべざるを得ない。
今解るのは、兎が言い残していった言葉が事実らしいと言うことくらい。
彼の存在が事実を告げていると、漠然と理解している理由は、男にも分かっていないのだが]
[ともあれ、男もこの女性も、何事かに巻き込まれたと言えるだろう]
…随原と言う。
君は。
[先ずは名乗っておくべきか、と言葉少なに女性へと名乗った。
灰色の空からは細かい雪が緩やかに舞うように降っている。
髪やマフラー、コートが小さな結晶に彩られていく*]
―ショッピングモール前―
むぐっ。
[異変が起こったのは、二つ目の焼き芋を食している時の事だった。
聞き慣れない鐘の音に瞬きをして、その源を探してきょろきょろと首を動かす。
それから鐘が鳴り終わるのを待っていたかのように、吹き抜ける冷たい風に身を竦めて。
現れた白いウサギの姿に、目をまんまるくした。
なお口は最初の鐘で一瞬だけ止まったが、それ以降は一本を食べ終わるまでずっともぐもぐしていた]
……っく、はぁ。
えっと……ってもういねーし!
[そんなこんなで最後の一口を飲み込んだ時には、既にそこには何もいなかった]
やっべ、なんも聞いてねーわ……
つーかここどこよ?何で雪降ってんよ……さっむ。
[暖を求めて焼き芋の袋を抱き締めながら、辺りを見渡した。
周囲に人影は見当たらない]
ちょーもーワケわかんなー。
イマリンに電話しよ。
[混乱しつつ、今の状況を友人に愚痴るべくスマホを取り出して、数秒]
はああぁ!?
[悲鳴にも似た声が上がる]
えーちょっとマジで……こんな時にバグった?
[待ち受け画面の時計、過去に送ったメール、アプリの名前、その殆どがあり得ない数字を示したり、文字化けしていたり]
ありえねーっしょ……
[最早半泣きになりながらそれらを確認していく。
やはり滅茶苦茶な電話帳の中、何故か唯一無事な名前を見つけるのは多分もうちょっと先の話だ**]
夢、なのかな…
[ぼんやり独り言。
子供の頃、夢と現実の区別がつかなくて、傘で空を飛んだとか、飼っていた小犬と言葉を交わしたとか、本気で周りに話してた。
自覚なく嘘を吐いてるから、たちが悪くて。
一人ずつ少しずつ、話を聞いてくれる人が居なくなった。]
マール…
[真っ白な雪の街。
もう居ない小犬の名前が口をつく。
事故で怪我をして、でも家が貧しかったから病院になんて連れて行って貰えなくて。
三日三晩ずっと胸に抱いて過ごした。
勿論学校の教室には入れないから、公園のブランコで、ゾウさんの遊具の中で。
水を飲んでも戻してしまう状況で、それでも、懸命になんとか生きようとして。]
あ…、いつから、、、
[というより。]
同じひと、ですか?
[そんな疑問がふと浮かぶ。
姿形は同じように見えるけれど。
夢のなかのひとが、これは夢だよって教えてくれる訳はないけれど。]
兎さん、立ってましたね。
[また、不自然に笑みを浮かべてしまう。
何が何だかよくわからない状況。
そうでなくても、いつも。
どんな時にどんな顔をしたらいいのか、わからない。]
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