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思い出屋にあえるかどうかは、思い出屋しだいのようだからな……
きっと俺たちにできる決断は、思い出を追うのをやめるかやめないか、だけだろう。
[淡々とした少女に視線を戻し]
忘却もまた、人には必要なものだからだろう。
どれほど大切でもそれだけにかかずらっていられるほど、生きることは優しくないからな……
[事務所へ押しかけてもよかったが、それも気が引けて、外でしばらく待つ。
しかし同じ待つなら焼き鳥屋の方が確実化と思い、歩き出す視線の先に――]
井戸端会議かしら?
[見慣れた三人の姿。]
[>>26 グリタの言葉に唇を引く]
ええ。必要なの。
言い換えれば、かかずらっていられないほどのものは、忘れるようにできているのよ。
ねえ、あなた。
“忘れてしまったから、大切に思ってしまった”
そう、思ったことはない?
[>>29 グリタの言葉に頷き]
そうね。それも正しいわ。きっと。
でも、いつも思い出は、美しいものだわ。
手に入れなおしたものに、またかかずらっていられなくなることは、ないのかしら?
そう思っただけ、よ。
『なぜ、人は思い出を欲しがるのだろうね』
[金物屋の主人を思い出す。
カチャカチャと音を立てる金属音は、仕舞うかばんの中から。]
こんばんは、かな?
今日は立ち話の気分なの?
それとも、噂話を拡散する手段かな?
[手を上げて応えるグリタに微笑みを向け。
邪魔をしないように話に耳を傾ける。]
[>>30 レンの言葉に唇だけ緩めて]
そうね。あなた、真面目ね。
強いわ。少なくとも、強くあろうとしているわ。
ねえ。レン。聞いても良い?
用意した対価。それではない、どうしても渡したくないあなたの大切なものって、何?
それとも、あなたの対価は、貴方の全部?
[挨拶しながらモミジがやってくる様子をまじまじと見つめ]
これからまたどこかに行くかもしれないですけどね。
[噂がデマだと確信した]
対価、か…
[先日、何かが引っかかっていたのは。
もしかしたら対価かもしれないと、三人の会話を聞きながらぼんやり思う。
遠くで夕焼け色の探偵の姿が見えたなら。
手招きをして呼び寄せたりもするだろう。
奇妙な噂。翻弄される日常。
それでも人の繋がりが出来ていくのも、思い出屋の功績だろうかと、ふと思う。]
そう? どこかってやっぱり焼き鳥屋?
[レンの答えにへらりと笑って。
まさか噂の検証をされているとも思わずに。]
─ 数日後 ─
[その後、何故かテンマの消息を聞かなくなってしまったのだが、思い出屋に彼が会った、という噂は流れてこない。]
……どうしちまったんだろうな。
[小腹がすいて、何か総菜でも、とぶらぶらと歩いていると]
おや、お揃いで。
[見慣れた人々の姿。]
……
[微かな呼び声>>*0は、――聴き流す。]
JTがどう言おうが、
ソレは味が違うんで。
[店番をする老婆に言っても詮無い苦言。
街角に交わされる"取引き"は油断なく。]
[備え付けられた灰皿の傍、儘に一服。
小窓の下に据え付けられている自販機は、
むしろ子供が買うにちょうどよい高さ。]
…逆バリアフリー…
[そういえば昔は、煙草も子供のお使いの
定番だったなあ等と追憶に浸りもし――]
そういえば、探偵さんの煙草…
どれだったかな。
[ふと想い出すのは、
探偵事務所でちらりと目にした黄色い*箱*。]
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