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…ヴェルフェルミとイレアナの話か。
嘆きのイレアナ…なんて言われても、キナ臭い話は幾つかあってね。
イレアナは敵国だか敵軍だかの将と密かに通じてた、なーんて話。
絆されて不利な情報でも流したか、それともイレアナに思惑があったのかは知らない。
で………そこを、国王の密偵が嗅ぎ付けて追い詰めた。情報戦に長けている位だ、お手の物だったろうよ。
第三王子のマッテオが何をどれ程知っていたかは分からないが、そこらの事情によっちゃあ国王自ら手にかけたとしても不思議じゃあないと思うな。ミカの言う、謀殺説の亜種説になるかな。
イレアナは死亡とされているけど、生き残ったなんて説も………ほら、これ。
[鞄を開け分厚い美術本を取り出すと、一枚の絵画を示した。]
………“荊の乙女”。
それは美しい庭園を備えた屋敷に、近郊で起きた戦の最中、密かに隠れ住む女性が居た、とか。
その美貌、気品は王族の血縁かとも言われたが何を語ることもなく、戦の風が去ると共に何時の間にか姿を消してしまったらしい。後世の研究によれば、彼女はイレアナの肖像にそっくりだったらしいよ。
ストーカー王の居城から少し離れた地方で見付かったものなんだがね。
地形といい、風景といい……この辺りだったら面白いと思わないかい?
案外シュテルや、その周りの臣下が関わっていたりして。
おでんと酒にかまけてて、ケーキの方手つかずだった。
普段甘いのは食べないんでアレだが、確かに美味いな。
ウルスラが作ったのか?
たいしたもんだ。
[ひょいっとひとつをつまんで口に運べば、それを美味しそうに頬張って、ドロテアが入れてくれたコーヒーをずずっと飲み込む]
はぁ…やっぱうめぇ。甘いもんとコーヒーはいいな。
うん? 来年? ちゃんと進級できたら考えるさ。できねーと放り出されちまうからな。
ま、一般的に伝わっているのは「死亡」って話だから、これは俗説だけど。
何時の時代も暗躍するのは女性だったりするから、俺は結構アリだと思ってるんだ。
王に関してもさ。
ストーカー王なんて汚名が付いてしまっているが、裏を返して見れば賢王ともなり得たわけで。
歴史を紡ぐのは何時も後の世の人々だから、事実として伝わっていることを裏ッ返したり斜めから見たりするのも、面白いと思うな。
[と、斜めから見てばかりの男はぱたりと本を閉じた。]
うおお、おもしろい!
相関図を描きたくなってくるな、これ。
イレアナとマッテオはスパイ容疑で謀殺されたって説もあるのだな。
そして、イレアナに似た女性。
「似た人物」ってのが多いね。本人なのかどうなのか?
イレアナはずいぶんと別嬪さんだったらしいし、庶民には絶大な人気を誇っていたみたいだな。
悲劇譚として民謡にもなっていた。俺らの国までは来てないから、マイナーなものなんだろうけど。
ほら? 聞いたことないか? ららるーってやつ。
[メロディを口ずさんではみたが、お世辞にも上手いとは言えないのは自覚していたのですぐやめた]
あー…歌詞は見つかれば持ってくるさ
暴動が激化したのが思いの外早かったのは、そんだけファンもいたってことなんじゃないか?
スパイ集団の中にもさ。いろんな思惑が絡んでんだ。レーメフトの言うように生きてたって説も浪漫があるよな。
双方の手引きがあったとしておかしくねえよな。
影武者の話か? シュテルは体格は当時にしても小柄だったというし。
それに、シュテル女性説も…文献がないこともない。
日本のとある武将が女だったとかと同じかな。
だが、煙のないところになんとやらとも言うからな。
独裁者ががっつり国内をまとめて、戦争が起きないケースもあるからねぇ。
ということで複数説出る訳だが、メモに入りきらない。
自分の出した説だけ書くって手があるか。でも読みにくいんだよにゃー
人物ごとにまとめたい
隠者ジェミナイ。
……かしら?
[ドロテア>>23の言葉を引き継いでいう]
彼を手にしたものならば星をも掴むことができるとまで称され、隠者の癖にこの時期に生きた人物として今も尚、名が残っている謎の智者
9世紀頃の主
通称「ストーカー」王 ヴェルフェルミ=アイ・ヴァンホー
異常な情報戦を旨とし
確か政治戦略とも執拗に追いつめ、また性格もねちっこいので有名
気にいった女がいたら、臣下の嫁でも息子の嫁でも無理矢理、自分のものにしていたようだ。
特に有名なのは、第三王子のマッテオの妻、後に、嘆きのイレアナに手をだしたこと。
結局は塔よりその身を投げ出してしまい、各地の暴動がより一層激化したとのこと。
これについては俗説もあるが、それはイレアナの欄にて記す。(続く
通称"L" 若狼《ローウェル -Lowell-》
スパイ集団の長。
「ストーカー」王 ヴェルフェルの政権を影で支えていた
スパイ的集団を用いた情報取得の他、工作員を用いての内通や集団ないの不和を引き起こるなどの活動をしていた(続く
ローウェル率いるスパイ集団は、
諜報活動と特殊工作の双方を実行出来たらしいっす。
特に“右腕”・“左腕”と呼ばれる変装の名手が配下にいて、
その二人が諜報で大活躍したとか。
正体は不明のようっすけど、男女の双子と設定されている説が多いっすね。
御伽噺として映えるからかもしれないっすけど。
あとローウェルはスパイ集団のリーダーだけど
優秀だからっすかね、英雄譚に仕上げた説も結構あるんっすよね。
実は嫌々ストーカー王の命に従っていただけとか。
んー、何度食べても本当に美味しい……
[しばし目を閉じて、チーズケーキを堪能]
あ、コーヒーも美味しいよ。
豆もいいけど、ドロテアの淹れてくれる濃さも丁度いい。
ん?
[イレアナについて語るレーメフト>>27>>28に注目し]
へえ、面白い。
伝説としては、シュテルとイレアナの間にロマンスがあったりしそうだね。
なるほど甲冑。
[>>22ミカに頷き。当時じゃ顔写真とかないものね、と唇をなぞった。
>>32シュテル女性説には、んーと唸って]
私は断然男性説派だけど、なくはない、よね……ってそれはありえる、隠者ジェミナイ。
[>>33イェンニの言葉に思わず声を高くした]
でも、ふうん……
[イェンニの言葉>>25に、思案する仕草]
消された、か。ジェミナイについても、詳しいことは残ってないし、ね。
執着王が彼らの記録や情報は消してまわっても、人々の記憶は消せなかった……とすれば、シュテルと仲間について、荒唐無稽とも言えるエピソードだけが残っていることに説明もつくかな。
何とも、情報合戦の様相を呈してきたね。
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