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[老女が編んでいた小さいセーターだけが、]
あのセーターは…
…ちいさい手にゃ、
…わたらなかったはずだ。
[──ぽつん。と、椅子の上に残っている**。]
―今となってはいつか解らない時―
[はらはらと。雪のように舞い散るのは林檎の花。
日曜の、礼拝に向かうような改まった服装で少女は目の前に居る。]
え―…。今なんて?
[聞こえているが、理解すらしているが。聞き返されて、生真面目に少女は繰り返す。]
シスターに…って。解ってるのか?それはつまり、「神の―
[花嫁」に、と続けようとして、17歳の少年にはいささか刺激が強い言葉で口篭もる。]
「牧師様と何度も話し合ったわ」
(親父…!)
「そしてこれは私の決断でもあるの」
[勢い込んだところに、穏やかに言われ、怒りが別の感情へと変化するのを感じる。]
「だって―、いずれあなたも、牧師様になるのでしょう?そうすればずっと、ずっと一緒に―…」
(頬にかっと血が上るのを感じる。)
「僕は牧師になんてならないよっ!こんな村に、閉じ込められるのなんてまっぴらだっ!」
(言ってから、しまった、と思う。
本当に言いたかったのは、そんな言葉…?)
(傷ついた表情に、いたたまれなくなって駆け出した。)
父さん…!ぼくを、僕を隣町の音楽学校に通わせて下さい!
(その足で、父親を探し出し、これまで何度となく出した要請をする。)
「神学校へ通う学費なら、出してやる」
(そしてまた、何度となくなされた問答。
その夜、僕は村を出た。)
―今となってはいつか解らない夜―
「こんな時間になんだよぅ、―ネリアスぅ」
[幼い頃にしていたように、楡の木を伝って、少年の部屋の窓から進入する。目をこする姿に、少し悪いと思う。]
なあこれ、―テラに渡しておいてくれないか?
「うん、いいよ。でもどうして?
あとで渡したらいいのに。───…コーネ……。」
いいから、頼んだぞ。
「……ねえ、どうして…」
詩の勉強、続けろよな!いいのができたら、曲つけてやるから!
(多分、遠い世界のどこかで。)
[それだけ言うと、するりと窓の外に抜け出す。]
(渡したのは大事な、母の形見の十字架。
そして僕自身の形見。
その時は、けっして故郷に戻るつもりはなくて。)
(彼女は僕ではなく、「神」を選んだ。
そう思って恨んでいたけれど。
実はそれしか、彼女には選択肢が無かったとしたら―?
彼女の「特別な」何かの故に。)**
… なに…。
[怯えたように繰り返す。
祝福の言葉に目を見開き、ポケットに片手を突っ込んだ。
かさり。
小さな紙切れが指先に触れる。
こくりと、喉が動いた。]
……、べつに。
怒って、な ん……。
『──今日の処刑は…』『…彼女のことを…』『……勉強、続けろよな!』『何で今──!』
[フラッシュバック][頭痛がする]
[こめかみに指をあて、一歩下がった。]
──……、自分のことを「殺した」相手なんて、恨んで当然だろ?(違う)だから僕は、僕──…
……コーネリアス。
[こうして名を呼ぶのは、いつぶりのことだったろう?]
……帰って、来なきゃ良かった。
あのまま、遠くにいれば良かったろ。
なのに、どうして─…
何であのとき、帰って来たんだよ…!!
選りによって……!
[ああ。
いつか遠い日に、やはり同じように彼に怒鳴ったことがある。
奇妙な既視感。]
あいつが、あんなのことを言い出して─…
[そうして、ギルバートをも睨みつける。
人狼の対策をと、言い出したのは誰だった?]
──…あんなことが、なかった、ら。
[純白のドレス。小さなセーター。
温度を持たぬはずの手が、白く揺り椅子の背を掴む。]
―回想 いつかのどこかで―
――さて、今日の仕事はこの辺で良いだろうね。
逃げる者を路地に追いつめて、だなんてのは性には合わんが・・・。
生きるためだからしかたがあるまい。恨まんでおくれよ?
ただ、明日はもっとまともな仕事にありつける事を祈ろう・・・。
――ふぅ、このような仕事は嫌なものだ。
しかし、いつもどんなに大きく賑やかな街でもこの仕事は必ずある。
・・・世界というものはこのようなものだったのか・・・。
――・・・なんだろうね。
恨みもなく見知らぬ人間を追い詰め、そして得る物は幾らかの路銀と、残された者の恨み・・・。
どれだけの恨みをかったのだろう。どれだけの怨念を得たのだろう。
だが・・・、もう何も感じない。・・・私は狂ってしまったのだろうかね?
・・・故郷へ、帰ろう。
狂いきってしまわないうちに。
―回想 終わり―
―現在 集会所―
[悪夢でうなされ、疲れきってはいつつも
自分の部屋から降りてくる]
はは、異性恐怖症で多人数の場所ではまともに喋る事も出来ない私なのに、
毎日のようにこの場所に居る。
家庭を求めていた名残だろうかね?
[集会所に入り、いつもの騒がしい声と、いつも居た小さい揺り椅子の主が
居ない事に気づく]
・・・メイ君?・・・語り部殿?
おかしいね。あの二人は方やその存在感と、方や安心感で大体居ると分かるのだが・・・。
・・・我々は死人、ここはあの世、つまり・・・そういう事、か?
[デボラが掛けていた揺り椅子を、ゆらゆらと僅かにゆらし]
―少し前―
[>>27 以前には決して見ることのできなかった、睦ましげな親子に、これまでのようににこりと微笑むが、>>29墓守の言葉にふとひっかかりを感じて眉を曇らせる。
だが一瞬後、にやりといたずらっぽく微笑むとこう答えた。]
>>2:119「ある。と思えば、そこにある。」
と、言ったのはあなた自身でしょう、ユージーンさん。
私は私なりの見方を信じるだけだ。それは、たぶんあなたも。
[週に数度、同じ食卓を囲んでいた顔を眺める。
(「ぼっちゃん」は止めてくれと、何度も頼んだものだった。私は彼を、その職業を尊敬していたんだ。)
はて?
[ほろりと、無意識な疑問。]
あなたのことは、誰が埋葬したのでしょうね…?
―現在―
ハーヴェイ!
(取り乱した青年をなだめるように強く抱きしめる。
今はぐったりとしたその体に、無心に「ごめんな、ごめんな」と口にしようとして、それは何に対した詫びかとふと我に帰る。
その視線を辿ると…)
流れ者?
(「旅」
私と彼との共通項だ―。)
『なんだ、同郷かぁ?!』
(豪放な笑い声が耳に蘇る。)
私が、彼を…いや、彼と村に―?**
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