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.........
うわっ!...す、すみません!
[ふいに、我に返った]
何か俺、すっごく失礼なこと...!すみません、急に子供の頃のこととか思い出しちゃって!
[わたわたとモミジの頬に触れていた指を引っ込めて、落ち着き無くに空中で握ったり開いたり......思いっ切り動揺している*]
そっか、そういう考え方もあるね。
[きついという言葉に目から鱗を落とした]
私は、なんかもう、ここにずっと居てもいいんじゃないかという気がしてきたよ。
[結局何も手に入れることは出来ずに骨董品屋から外に出る。
見上げた空から落ちてくる雪はとどまることを知らない。
すうと息を吸い込んで、おなかから声を出した]
ズイハラさーん!
マシロさんも消えちゃいました!
[何か知るところはないかと、当ても無く男の名を叫んでみた]
俺、いっつも心配する側だったからさー。
真白も、他のいとこどもも無茶ばっかしやがってさー。
[『今』はされる側にいたりするのだが、そこらの自覚はない。
つい愚痴っぽく呟いた後、気を取り直して]
……あー。
それも、悪くないかもなあ。
[ぽそ、と呟いた言葉は本心か、それとも、侵蝕してきた何かの影響か。
無自覚状態、判別不能]
んでも、帰んなくていーわけ?
[とはいえ。
自分はそれでいいけれど、他はどうなんだろう、と。
疑問に感じたのは、多分、素のココロ]
……近くは無いな。
[片方は遠い。
声の高さから女性だろうと推測出来るのみ。
それでも大体の方角は分かりそうだった。
この場所は反響が少ない。
新たに積もり始めた雪を踏み締め、声のした方へと男は歩み行く]
…姿は見えないが…
[もう片方は視界の中に無いにも関わらず、声ははっきりと届いていた。
どんな原理かは知らないが、声だけは距離を超越するらしい。
その声、と言うか口調に聞き覚えがあった]
片岡君か。
[恐らくは狭間に、と思考が巡る]
[「いとこ」と聞いて、幼い頃に思い巡らせるが、相変わらず誰が誰だったかすら思い出せない。
宝くじ売り場のことを考えて、あっけらかんと笑った]
書き入れ時だけど、ひとり減ったくらいならどうにかなるよ。
世の中って結構、丈夫に出来てるもんだから。
[ふらふらと雪道を歩きながら、恨み言を呟く]
今ここに天使が現れて、『この箱の中には、あなたのたからものが入っています』なんて言って来たら、その中にはほかほかのおでんが入っているに違いない。
[冷えた芋を焚き火であたためる手に考えが行き着かないのは、空腹と眠気のせいか]
[貧しかった。
両親は高校にも行かせてもらえなかったらしい。
ひとつ、50銭にもならない内職。
二人、毎日毎日、夜中まで働いているのに、ちっとも裕福にならない。
それなのに、何もないのに、人が良くて。
騙されている事にも気付かず、なけなしのお金を他人に渡して。
余所に向けられない感情は家族に、喧嘩ばかりになって。
父も母も、本当はとても優しくて真面目で、なのに。
大嫌い。
何も、何ひとつ、報われない。
あの雪の日、冷たくなったマールを抱えて泣いて無理をして、案の定。
熱に倒れて、肺炎にまで拗らせて、そんな中。
両親は離婚。
祖母の家で生活することになった。]
[疑問に返って来たのは、あっけらかん、とした声だった]
……そーゆーもん?
[ひとり減ったくらいなら、という言葉にちょっと首傾げて]
まー、ひとり道踏み外したくらいじゃ揺るがないもんだけどさ、世の中って。
………マールをしってるの?
[螺子が外れて壊れた時計。
重ねられる言葉が、何かの鍵のようにカチリと心に刻まれて。
『雪の精は、きっと......あのこをオーロラの国に、連れて行ったんだよ。
もう......苦しくないように』
無意識に少しずつ、呼び起こされる埋もれた記憶。
そう冬木にたずねたのは幼い過去の私。]
………
[元気そうだ、とは心の内の声。
独りではないのだから何とかなるだろう、とあちらは後回しにして。
微かに聞こえた、一度きりの声の方へと歩み進めた]
───……
[十字路まで来て三方向を見遣る。
さてどれが正解か。
大粒の雪が降りしきる中、人影が無いかと瞳を凝らした]
偉い役職の人ががいなくなったらそれなりに困るだろうけどね。
私、単なる一販売員だから。
だからまぁ、素行なんぞは気にしないで兎さんとっ捕まえるつもりで歩いているんだけど、保護色って言葉の意味を考えたりしてしまうわ。
[それほど歩いたわけでもないのに、疲れてきた。
親兄弟のことは気にならないわけでもないけれど、思い残したことがあるかというと恐らく、ない]
マール...あ...
[公園で一人で本を読んでいると、時々傍に寄ってきた子犬。
ある日、ちょっと年上の女の子が、その子犬を「マール」と呼んだ。
女の子と子犬は仲良しで...いいな、と思ったけれど、話しかける勇気はなくて]
[でも]
[微笑んだモミジの頭の重みが肩にかかる]
...七咲さ......
[その微笑みは、今まで彼女が見せていたどこか微妙な笑顔とは、なんだか少し違っているように見えた。
そう、ずっと前に、どこかで見たような]
[ズイハラの姿が見えない。
公園がどこだったかもよくわからなくなっていて、遭難という言葉が脳を過ぎる]
マシロさんのいとこさんー!
ズイハラさんー!
公園のお二人ー!
[いつの間にか、テレビの天気予報だったら雪だるまがゆらゆら揺れるマークが出そうな風が吹いている]
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