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『肝心なところ』が来ないまま、冬が明けてくれる事を願っておこうか。
ただ戯れに村を取り囲んだだけなら良いのだが。
[誰ともなく発せられた言葉は、しかしビャルネの言葉に同調するかのような響きを持っていたか。
火の中に投げ込まれた枝の様子を見つめていたが、ふと頬に弾かれたような感覚があった]
……やってくれる。
[軽く頬を指で押さえて、蛇使いに向かって微笑んだ*]
[ラウリの息に笑みが含まれるを感じ取り
男は見えぬ目乗せた顔を其方へと一度、向けた。
そして別なるビャルネの声に、深く頷く]
――早々何も無く立ち去ってくれる事も、
無さそうな――空気だ、がな。
[ぽつりと落とす言葉の後
蛇遣いの「必要」に、また、頷いた。
後頭部で包帯の結び目が色味薄い髪と共に揺れた*]
[ぱちり、と白樺がはじける音が聞こえる。
同調するかのような周囲のものたちに眸を細め。
マティアスの言葉にゆるりと視線を向けた。]
そうだの……立ち去るつもりがあるのなら、もう居なくなっているだろうて……
期待するだけ無駄じゃなあ……
[深い吐息をこぼして、炎へと視線を戻す。
ゆらゆらとゆれる形を見ながら、僅かに伏せた眸のおく。
異変があった夜に遅れたのは――仕事途中の手を止めて動きたくなかったからだと、長老には伝えていた。**]
[姿勢良く、しかし俯いて焔を見つめたまま、左手で帽子を目深に引く]
……お気の毒様。
[細い声を零した口元は、一瞬だけ薄く笑みを形作っていた。
もう片方の手は長老の衣へ触れ、その裾をゆるく握り締める*]
/*
我ながら、役職希望迷いすぎなのです。
正直、狂信者以外ならなんでもばっちこい。
今回の村は、狂信者自分でやるより愛でていたいのです。
誰か希望してて下さい…!!そして人数集まるといいな。
/*
村建て人さんのお言葉に甘えて発言してみました。
なんであたしこんな緊張してるんですかー。
どどどどどどどどどど。
助けてドラ○えもん!(←よくある間違い)
供儀 ドロテアは、ここまで読んだ。[栞]
[…キィ―――来訪を告げる声に、間を置き響く音。報せを運ぶアルマウェルの言葉に耳を傾け、パチと薪の爆ぜる音に連動する間合いで眼鏡の奥で瞳を瞬かせた。
遊牧の民でありながらいつからか歩くのを止め車椅子に座す求道者は、彼を見上げ暫くの間は口を開く事も無く思案するらしき面持ち。やがて訥々とした口調で幾つか確認をして、納得がいけば肯定を示す沈黙を置いた]
………
支度して向かいます。
[言葉を探すらしき物言いたげな間を自ら打ち切り、示すともなく燃える焔へ視線を向ける。キィ…キィキィキィ―――車椅子に座すも淀みない動きは、長年の生活で培った慣れを感じさせるもの。
アルマウェルの去って後も暫くは、火の傍で揺らめく焔を見つめていた。遠吠えは今も聴こえているというのに、早急に長老のテントへも向かわず。此処には過ごす時を咎める誰も居はしないけれど、居たとしてもそんなひと時も当人にしてみれば支度の一環と嘯くだろう]
[空に靡く不吉な紅いカーテンと、地を這う狼の遠吠えはどちらがどちらに呼応するとも知れず。キィキィキィキィ―――聴こえる声に応えずも、重なる車輪の音は車椅子に座す当人よりは雄弁。
膝掛けの下に仕舞う足の代わり、明けぬ夜に溶かされぬ雪の上に続く二本の足跡。キィキィキィ…―――ォオーン―――深と冷たい大気を震わせる幾度目かの遠吠えに車椅子の音はやみ、冷えた手を擦り合わせ息を吐きかける]
……きこえる。
こえが、きこえる…
[悴む手へ繰り返す呟きの篭る呼気に眼鏡は曇り、視界は白く染まる。役目を果たさぬ眼鏡をはずし見遣る、明けぬ夜の世界―――滲む視界の向こうに靡く紅は、返すべき言葉を見つけられず碌な労いもせず見送ったアルマウェルの後姿も想わせる。
思い返すまでもなく彼の来訪があったからこそ、支度を済ませた今こうして彼の後を追うように、外出をしている。目的地はまだ見えず、狼の姿もまだ見えない]
おおかみ…
[感覚を確かめるべく握る手に掠れた呟きを落とすも、震える理由は決して寒さだけではない。冷えた眼鏡のつるにいつもの癖でカリと歯を立てるも、膝掛けの端で曇った眼鏡を拭いかけ直した。
再び明瞭な輪郭を持つ紅いカーテンに彩られた明けぬ夜を前に、眼鏡の奥で眼差しを細める。キィキィキィキィ―――車椅子は、また軋んだ音を立て動き出した]
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