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[心配そうに見上げる相棒に目をやらず、
視線はゼンジの瞳にあわせたまま、
次は鞄から金槌を出して、鞄を相棒に渡す。]
……。何の骨だと思う?
[言いながら、自分の足元に“骨”を転がす]
ねえ。僕は、これから、どうすると思う?
灯台下暗しというよりも、
木を隠すなら森の中に近いような…
[そう言えば、
結局あの空き地に骨を置いていた犯人は、
結局見つかったのだろうかと、
あまい警備配置に首をかしげ]
そうですね。言ってみるのが一番かと。
もしネギヤさんに責められたら。
そのときはわたしが対処しますから。
[ごめんください、と後に続いて中へ]
……ええ。そうですよ。
私のこの3年間は、そのためだけにあったのです。
だから、このまま何も―――
[動じない相手の態度に、気勢が殺がれる。
得物の先を下げ、男の手元を見守った。
鞄から取り出されたモノに、軽く、目を瞠る。]
それ…、は……
[現れた骨。鞄から取り出された金槌。
繰り広げられる光景に理解が追いつくと同時に、
顔から音を立てて血の気が引いた。]
やめろ…!
彼女に、手を、出すな――…
[悲痛な声を絞り出す。
止めるべき手は、固まったように、動かない。]
ネギヤさんの扱いは、実は心得ていまして。
それ位のお役には、立ちたいと思います。
[悪戯っぽく小さく微笑んで。
一緒に叫んで歩いた。]
グリタさん? いらっしゃいますか?
ツキハナです。モミジじゃなくてすみません。
……おや。お話ができそうで良かった。
[無邪気な顔で、にっこりと]
いや、実際それは犬が齧る牛骨かもしれませんけれど、僕としてはどちらでも良いのです。
貴方が気にせず、“それ”が潰れても尚、僕とやりあうのも。
それを守ろうとして、金槌を持った汚い男に殴られるのも、どちらでもいいのです。
僕はその骨に大切な意味を感じておりませんし、どちらにしても貴方の大切なものはここで死ぬのですから。
[ガチャガチャ擦れる、金属音。
音の鳴るほうへ。]
いえ、購読の件は良いのですが…。
ほんと、モミジも連れて来れたらよかったのですが…。
期待はずれですみません。
[二倍速にまわるドアノブ。(>>51)
そのうち壊れてしまうのではないかという、
ふあん。]
[長々と、生き飽きたような声で喋り終わり。
ゆるゆると息を吸って、どろどろと、それを吐く]
――では、良いように。選んでください。
どちらにでも、僕はお応えしましょう。
貴方の選んだ方の信念と。
[そう言って、彼は口を閉じた。
眼前の男が、答えを示すまで。ずっと。]
―― 駐在所 ――
ノギ巡査は、次のバスで到着するそうです。
――…では警部殿、本官はこれで失礼を。
[ノギ巡査部長、鞄を手に立ち上がる。
白髪頭の警部と交わすのは、別れの敬礼。]
そちらの件も、
早くケリがつくことを祈っておりますよ。
ふくろう雑学を披露してくれたという、
お弁当屋さんの女性に差し上げてください。
そう
誕生日プレゼント とでも言って。
[不可解げな白髪頭の警部が、
頷きと共に何か口にして…]
…はいはい。
[本日付けで警察を退職する男は、
聴こえずともわらって生真面目な生返事をした。]
では ご機嫌よう。
[そのあとは、バス停でノギ巡査と落ちあって。
彼が乗ってきたバスへと男が乗り込む―――
深く腰掛けたバスの座席はすこし硬く、
男はぐりぐり、と指先で蟀谷を押す。]
… 機会があれば、また。
[薬包を取り出しながら思い出してぽつり。
飲み下したゼンジの薬がよく効いて…
左道使いノギ、終点まで*乗り過ごす*。]
あー、つかぬことをお聞きしますが、このドアってどうなってんですか?
[ノブから一度手を離し、振り返って室内を見渡す。
先ほど見ていたアルバムには、何処かの、いつかの、星の写真が入っていた]
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