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僕も、返さなきゃいけないものが、
…… あるんだけどね。
[何でもないことのように告げて、小さく息をつく。
そうして、ぽつりと呟いた。]
―回想 いつかのどこかで―
――さて、今日の仕事はこの辺で良いだろうね。
逃げる者を路地に追いつめて、だなんてのは性には合わんが・・・。
生きるためだからしかたがあるまい。恨まんでおくれよ?
ただ、明日はもっとまともな仕事にありつける事を祈ろう・・・。
――ふぅ、このような仕事は嫌なものだ。
しかし、いつもどんなに大きく賑やかな街でもこの仕事は必ずある。
・・・世界というものはこのようなものだったのか・・・。
――・・・なんだろうね。
恨みもなく見知らぬ人間を追い詰め、そして得る物は幾らかの路銀と、残された者の恨み・・・。
どれだけの恨みをかったのだろう。どれだけの怨念を得たのだろう。
だが・・・、もう何も感じない。・・・私は狂ってしまったのだろうかね?
・・・故郷へ、帰ろう。
狂いきってしまわないうちに。
―回想 終わり―
―現在 集会所―
[悪夢でうなされ、疲れきってはいつつも
自分の部屋から降りてくる]
はは、異性恐怖症で多人数の場所ではまともに喋る事も出来ない私なのに、
毎日のようにこの場所に居る。
家庭を求めていた名残だろうかね?
[集会所に入り、いつもの騒がしい声と、いつも居た小さい揺り椅子の主が
居ない事に気づく]
・・・メイ君?・・・語り部殿?
おかしいね。あの二人は方やその存在感と、方や安心感で大体居ると分かるのだが・・・。
・・・我々は死人、ここはあの世、つまり・・・そういう事、か?
[デボラが掛けていた揺り椅子を、ゆらゆらと僅かにゆらし]
―少し前―
[>>27 以前には決して見ることのできなかった、睦ましげな親子に、これまでのようににこりと微笑むが、>>29墓守の言葉にふとひっかかりを感じて眉を曇らせる。
だが一瞬後、にやりといたずらっぽく微笑むとこう答えた。]
>>2:119「ある。と思えば、そこにある。」
と、言ったのはあなた自身でしょう、ユージーンさん。
私は私なりの見方を信じるだけだ。それは、たぶんあなたも。
[週に数度、同じ食卓を囲んでいた顔を眺める。
(「ぼっちゃん」は止めてくれと、何度も頼んだものだった。私は彼を、その職業を尊敬していたんだ。)
はて?
[ほろりと、無意識な疑問。]
あなたのことは、誰が埋葬したのでしょうね…?
―現在―
ハーヴェイ!
(取り乱した青年をなだめるように強く抱きしめる。
今はぐったりとしたその体に、無心に「ごめんな、ごめんな」と口にしようとして、それは何に対した詫びかとふと我に帰る。
その視線を辿ると…)
流れ者?
(「旅」
私と彼との共通項だ―。)
『なんだ、同郷かぁ?!』
(豪放な笑い声が耳に蘇る。)
私が、彼を…いや、彼と村に―?**
─── そんなの詭弁だ。
… 都合のいい思い込み(知ってる)
[コーネリアスを怒鳴りつけた直後。
デボラの椅子を見て呟いた、自らに向けてわらう。]
[一人だった。寂しそうだった。ちいさかった。笑っていた。信じていた。]
──…だから。
ただ、喰べやすかった。(それだけ)
離…ッ…!
[小さな声で囁かれる謝罪を聞かぬようにして、突き放す。
痛みを堪えるような表情で、口元に手を当てる。
そうして室内を見渡し、ごく小さく呟いた。]
──…消えてしまえ。
[すべて]
[一瞬視線が走ったのは、穏やかな父娘の姿。
その時だけ、僅かに表情が揺らぐ。]
───…なら……まえば、いい。
[そうして、人々に背を向けて階段へと*踵を返した*]
おれが、
教会に埋めたんは、
一番最初に、食い殺されたアーヴァインの旦那を。
それから、おちびのお嬢さんに、
仕立て屋の旦那さんに──、
デボラの婆さんに、
…、…書生さんに。
[男は、覚えている死の順をぼそぼそとした声で並べて]
そいで、
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