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[クルミの声に反応し、視線を止め、クルミに近づく]
お!そうそう松柏駅!
クルミ行く?じゃ一緒しようぜ!
面白そーだよなー
リウもヒマだったら一緒に行こうぜ
なんか面白そうじゃん!
クレープぐらい俺がおごってやっからさ
腹ごしらえして遊ぼうぜー
[クルミと一緒にリウにも誘いをかける。
リウも同意するなら3人で、しないならクルミと2人で教室を出るだろう。
他に行く奴がいるなら声をかける]
[ふっくらとしたフォルムの指先を口元に当てて、暫しの思案。
冷蔵庫に入ったままの夕飯は、明日の朝ごはんに回して、弁当にも入れてしまおうか。
2人分残っていたらきっとそれだけでは片付かないから、夜の内に少しは食べておかないと、……なんて。
無意識に唇に触れていれば、荒れた指の腹が引っかかった]
……痛、……。
[思考に沈んでいたために遠くなっていたざわめきが、身近に戻ってくる。 時計を見て、慌てた様子で席を立ち]
い、いけない。遅くなっちゃう……!
[肩掛け鞄をかぶって、長いマフラーをぐるぐると巻く。
桜の季節は間近といえど、日が沈めばまだまだ寒い]
[足早に出入り口に向かう途中、一際賑やかなグループが歓声を上げたのを聞いた。
視線をやれば、中心となっている塾講師、近藤天馬が一番に目に付いて]
──土曜日の夜、松柏駅……。
[青玲学園の噂については、知っている。
この塾に通う生徒の一人が失踪したという事件とオカルティックな噂話が絡み合い、一時期大変な騒ぎになったのだ。
それは噂ごとに疎い小春の耳にも入ってくるほどで、例え意識して情報を集めておらずとも、殆ど話もしたこともない小山内のプロフィールに妙に詳しくなってしまった。
近藤は元々生徒に対してフランクな気質を持っているけれど、その中で小山内と懇意にしていたことも知っている。
けれどそれは、噂話から知ったことではなく、近藤を目で追っている内に気づいたこと]
おー。名前覚えててくれてた。
[六花に下の名前で呼ばれ、笑顔を返す。]
…なるほどね、村瀬さんは補習組かぁ。
ん?僕は部活やってたよ。
[これだよ、と左手にあった弓を少しだけ動かしてみせる。]
あ、ねね。職員室行くなら、これ届けてもらってもいい?
来た時に、玄関で拾ったのすっかり忘れてた。
[あちゃー、という表情をしながら、ごそごそと鞄から取り出したのは[櫻木 ナオ]の名前が書かれた生徒手帳だった。]
…いや、用事を押しつけるのは良くないか。
ごめん、やっぱ自分で届けに行くよ。
[向かう先は同じということで、一緒に先生のところへ行こうと、六花に向かっておいでおいでと手を動かした。]
せ、
[先生も来るんだ、と続けようとして、言いよどんでしまった。
唐突に雑談に混じれるほど、盛り上がっている生徒たちと仲が良いわけでもなく、社交的なキャラクターでもなかったから。
小春が立って居たのは近藤のやや後方、死角となる位置。
マフラーに口元を埋めて、幾度も口を開きかけては躊躇っていると、生徒たちの笑い声に紛れるように、近藤の苦い呟きが漏れ聞こえた。
『――小山内がどうして死んだのか、知りたくないって言ったら嘘だしな』]
──先生、さようなら!
[とっさに口を開いていた。 明瞭な発音につられて、背筋まで伸びた気がする。
努めて大きな声で挨拶を発すると、相手の返事も待たずに、駆け出すようにして教室を出た。
何だか、秘密を盗み聞いてしまったような。
駆け足からくる動機と共に、胸騒ぎを抱えて]
……土曜日の夜、松柏駅……。
[近藤が「偶然」足を運ぶと話していた場所の名を唇に乗せてみる。
その呟きは、分厚く巻かれたマフラーに受け止められて、小春以外に届くことはなかった]
偽、汽車…?
ああ、そういえばそんな噂を耳にしたね。
それが今日なんだ?
だったら尚更櫻木さん1人で行かせる訳にはいかないな。
[聞き覚えがあるような単語に首を傾げる。
何とか記憶の片隅から噂の話を引き出し噂の内容を思い出せば苦笑いで彼女を見やり]
いやいや、気にしなくていいよ。
松柏駅にはどうせ行こうと思ってたからね。
[小さく咳払いをして礼を言う彼女に緩く手を振ると連れ立って玄関に向かう。
途中誰かに合えば気さくに話し掛けるだろう。**]
えへへー。ケンくんはクラスのおにーさん的存在って誰かが言ってたのね。六花、ちゃんと覚えてるのね。
[覚えててくれたという笑顔に嬉しくなって得意気に他にも覚えていることを言う。
部活をやっていたと言いながら動かされる弓に目をやり]
部活?キュウドウ?弓大きいのねー。
[言いながらテレビ等で見たことある弓を射るポーズをしてみせる]
用事?落し物なのね。
[寺崎が誰かの生徒手帳を取り出すのを見つつ、だが思い直して職員室への同行の誘いに笑顔で頷いて答えた]
うん、行くー!
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