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……思い出?
[あおいろを見ながらぼんやりとしていたら唐突に始まった話。
途中口を挟まず、黙って聞いた後、ひとつ息を吐いて]
……夏の海なぁ。
あんまり、思い出ってないんだよなぁ、俺。
……ま、全然ないってわけじゃあないが。
[言いつつ、懐から引き出すのは鎖に通した二つの指輪。
これを渡したのも、返されたのも、どちらも夏の海だったなあ、と。
ぼんやり、思いかえすのはそんな事]
ある意味じゃあ、黒歴史、かね。
[独りごちる表情は、苦笑い]
[学生時代につき合っていた相手。
大学卒業と同時に家に戻る事は決まっていたから、一緒に来い、と言って、頷いてもらえて。
家的なあれこれがあったから式は挙げず籍だけ入れて、けれど。
その二年後、『一族会議で決まったから』という『家長命令』が下って別れさせられた。
……実際には、難病を発症した彼女が、自分から離れる、と父に申し出た事は知らない。
それは未だに隠されたままの理由]
……あー、そっか。
[ふと、思い至った事に小さく呟き、頭を掻く]
それで、探したくない、って思ったわけね、俺。
[ずっと聞こえる歌声は、別れた彼女の声で。
それが、最後に言われた言葉──『探さないで』と重なっていて。
『理由を知りたい』という意識の動きは、その言葉の理由が知りたい、という己が思いと重なっていたのだと。
そんな響き合いがあったから、不可思議な事象を引き起こしてきたのだと。
そんな理解は、すとん、と落ちた。*]
黒歴史?
[黒歴史てのは、正直意味不明だったけど、何かに納得したような顔と、だから探したくないと思った、という言葉は、なんとなく予想の範囲内だ]
もしかすると、ここに迷い込んだ人間は、みんな同じようなものなのかもって、思ったんだ。
[いつの間にか、言葉が外向けから、また素に戻っちまってるな......まあいいか]
で、あんた、今も同じかい?
[やっぱり、探したくないのか?と、聞いてみた。答えは無くてもかまやしないんだけどな。]
あー……海に思い入れがある、ってのは、あるかもなぁ。
[思い返すのは、展望台で出会った老人の事。
口調の変化などは気にする事なく、向けられた問いに一つ、息を吐く]
……ん。
沈んだ理由によって、って考えてたんだがな。
よくよく考えたら、理由聞くには、見つけないとならんのだよなぁ。
[返すのは、遠回しの否定。
ここでこのまま沈めてしまったら、何もかわらないままだなあ、と。
過ったのは、そんな事。*]
合唱部員 イマリは、/*こん、ばん、は・・・(息切れぱたり[栞]
/*
おうち帰ってきて10人分の食器と洗濯機二回分くらいの汚れ物の山に出迎えられるとかココロ折れるよね。
ってことで中の人がぐったりして箱前来るの遅くなったよ今から追いつけるよう頑張りますごめんなさい(´・ω・`)
あはは、そりゃそーだ。
[知りたいなら、見なきゃダメだ。あったりまえの答えに俺は笑う]
しっかし、相手は海の底かあ、潜ってみるか?
[見つけようと、そう思った、けど、さて、どうするか、と波打ち際にしゃがみ込んだ。
綺麗な海だよな...水も澄んで、色とりどりの、朝顔が水底で揺れ......朝顔?]
さすがに非常識だなあ...
[ゆらゆらと海藻のように揺れる朝顔に、思わず呆れた声が出た*]
/*
おう、大変だなイマリちゃん、無理すんなー?
一応、海底に朝顔置いてみた。まだ鬼さん二人揃ってないからどうすべー?というのもあるんで、ここらでちょっと様子みてもいいかもなー。
問題は、それだねぇ。
[相手は海の底、という言葉に肩を竦め。
波打ち際にしゃがみ込む様子を目で追い、その流れで海の中を見て]
…………。
まあ、兎が二足歩行するよーなとこだしな。
[あおの奥で揺れる朝顔に。
棒読みになったのは、許されろ、というべきか。*]
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