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腹すかない?
団子だったら残ってると思うんだよな、うちの部。
[そう言うと、とある男の残像が浮かんでは消える。
彼は誰だったか。
まばゆい花火を見上げて考えるが思い出せない。
しばらくぼんやりとマシロを見つめていたが、おもむろに左手を伸ばして、華奢な手を*握ろうとする*]
あぁ、自分のこと、ですか?
[「二人が戻りたいと願うなら」。
無理な願いを言い出すと、
見透かされたように上から問われた。]
良いんですよ。自分の事は。
だってあの子は――
[足をぶらぶらさせながら覗く、現実の世界。
夜空に舞う打ち上げ花火が眩く光った。]
…別な願いを叶えてあげたほうが、幸せでしょ。
[自らが渡したハンカチで、
涙を拭わないほどの強さを叶えた方が、
きっと――]
それにね、恋より愛のほうが。
ずっと続くと思いませんか?
…なーんて自分、言えた立場じゃないですが。
[「くさいですねぇ」
冗談交じりに苦笑して照れ隠し。
手にはあの雪結晶の髪飾り。]
仮令忘れられてもね。
自分が憶えていれば良いんです。
自分が心を動かされたことだけをね、
――知っていれば。
[ひとり語散て、空に散らすスターチスの花びら。
それは花火と共に*夜空に消えた*]
[ベッドの上で目覚めれば、保健教師に気絶していたことを説明され、ンガムラが羽つけていたりしていたのは夢かなにかだと認識する。
もう大丈夫だと教師に告げれば、そのまま保健室を出て。
部室でいくらか話をして、報告を貰うと、行くところがあるからと部室を出た。
そんな場所はただ一つ]
あれ?
私の短冊、どこに行ってしまったの?
[ネギヤ像のそばの、笹の前。
自分で飾ったはずの短冊が消えている]
ここに飾ったと思ったのだけど…
…私のも、落ちてしまったのかしら。あのとき…倒れた2人の短冊も落ちていたわけだし…
[下に落ちていないかと探したが、見つからない。
強い風も吹いていたし、落ちていたとしても風で飛ばされたのだろう。そうおもうことにする。]
今年も、かなえてくれなかったわね…お願い事。
[去年も同じようなことを願った気がする。
『素敵な人にあえますように』
こんな受け身だから、いけないのかな?と首をかしげる]
…いや…
もしかしたら、叶ってはいるのかしら。
[願ったのは恋人じゃなくて、素敵な人。
気付いていないだけで、何処かにはすでにいるのかもしれない]
…かも、ね?
[それが誰か、なんて、全く分からないけれど。
でも誰かを見つけられるのは、きっと自分だけだから]
見つけるお手伝い、してくださいね?…ネギヤ様。
[そのくらいは良いでしょう?と、ネギヤ像にほほ笑んで。祭りの片づけの喧騒の中、ゆっくりとそこを後にした]
― 7月8日 ―
[ワカバの家の前。
ブロック塀に座って、学生鞄を横に放り投げ、両手をポケットに突っ込んで彼女を待つ。
彼女が玄関の扉を開けたら、片手を挙げて照れくさそうに微笑んで。]
よっ。
俺、生き返っちまったみてぇ。
……学校いくか?
[告白も。何もなかった*フリをして*]
ち こ く するー!
[がん、ばたん、と扉をあけて。
履きそこねた靴を取りに戻って]
行ってきまあ……
[叫びかけた声は、夢でも幻でもないらしい、その姿に遮られる]
……ああああ!
[びしり、指をさして。
上から下まで穴が開くほど見て]
足がある!
[町内に響くほどの声を上げて――**]
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