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[たき火には、周囲の女性陣(気付けば女性しか周りに居ない)から賛同が得られ、もう一度周囲を見渡す]
んー、なんとなくこっちの方な気がするな。
[公園、と、思ったのは、子供時代に住んでいた町で、いつも一人遊びをしていた公園の事を思い出したからでもあって、なんとなく、その町並みを思い出させるような方角へ足が向いた]
[降り落つる白の結晶が大きさを増す。
全てを覆わんとするような、大粒の雪。
吐く息が更に白くなったように感じた]
…………───
(”たすけられないの?”)
[記憶の底から浮かび上がる声]
(”さむそうだよ”)
………────
…”無理だ、手遅れだよ”
[記憶の声と男の声が重なる。
似ているけれど、異なる声]
(”なんでだよ”)
───……
(”たすけるのがしごとじゃないのかよ”)
───── 父さん
[それは、憧れが失望へと変わった時の記憶]
[駅前から続く並木を抜け、川のほとりを歩き、その向こう。古い公営アパートが立ち並ぶ一画に、やがて見えてくる児童公園......今ではあまり見られなくなった遊具も並んでいる]
なんか、懐かしいな。
[公園の入口に立って、しみじみ呟いてしまった*]
言いそう言いそう!
[掲示板の影で肩を震わせて笑っているのは、誰にも見えないはずだ]
いやぁ、それにしても困ったもんだ。
帽子屋さんも、狭間に落ちないように足元気をつけてね。
[こっちは一人で歩いているから気楽なもの。
返る同意にだよなー、と頷いて]
あー、うん。
兎の言う事がマジだったら、俺らも危ないわけだし。
[アンはこっちでなんかやったようだけど、それ以外にも危険があるような口ぶりだったし。
何より、さっきの力がまた動いたらどうなるか、見当もついてない]
お互い気ぃつけようぜ、兎穴に落ちないように。
[気をつけて避けられるのかはともかくとして]
― 児童公園 ―
[公園の砂場の傍に、何故かあつらえたように枯れ葉の山が出来ていた]
なんか好都合すぎるけど。
[苦笑するも、なんとなく、そんなに不思議な事ではない、という気もする。
近付いて、ライターを取り出し、枯れ葉に火をつけた。
ぱちぱちと、音を立てて、赤い火が踊る*]
そーいや、ガキの頃は雪降ると外駆け回ったなー。
[それをやらなくなったのは、いつからだったか……なんて考えて、直後にふる、と首を横に振る]
……考えても、仕方ねーし。
[早口に呟いて、また、歩き出した。
結構、身体に雪が積もってきてる気がするけど、気にしない]
マシロさんは、さっきの人と小さいときからお知り合いなんですか?
幼馴染みたいなのって、ちょっと憧れます。
[バクの名前を思い出せなくて、謎な聞き方。
おもむろに空を見上げて口をあける]
……子供だったと言うか、何と言うか。
[それでもその「夢」は大切な「夢」だった。
歳を経るにつれて現実を見据えすぎて抱かなくなった「夢」。
今では命を傍に置きながら、金のやり取りに頭を悩ませるだけとなっていた]
余程腹を立てたんだな、私は。
[他人事のように呟く口端が僅かに持ち上がる。
その出来事すら忘れるくらいに、記憶を奥に仕舞い込んでいた]
……だが、こんなのが『材料』になるのか?
[『たからもの』が物品ではないのなら──忘れてしまった記憶だろうと、そう推測はしたものの。
思い出した記憶が確かに『たからもの』だったとしても、『材料』となるのかが判然としなかった]
もしくは……まだ、足りないか。
[関連していることでまだ忘れていることはないだろうかと男は考える。
降り積もる大粒の雪を払い落とし、男は更に歩を進めた]
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