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[汗が噴き出す。
こちらは丸腰で、向こうの手にはナイフ。
それでも――やるしか]
イェンニ、目を閉じてろ。
[一言。そう告げて。
タオルケットを剥がし、殺意を隠そうともしないニルスに投げる。
雨水を吸ったタオルケットが、ニルスの頭上に広がった]
[果たして、ニルスはどう反応したか。
はね退けるにしろ、被るにしろ、足元に生まれた隙を見逃さず、男はニルスの足に飛びつく。
もつれ合うようにして2人は床を転がる。やがて、体格で勝る男がニルスに馬乗りになり、顔を一発、殴りつけた]
イェンニ、逃げろ!
[部屋の隅で震えているだろう彼女に向けて声をあげる。
――その一瞬、ニルスの手の中で光るナイフから、意識が逸れた]
……
[輪郭も幽けく、蜂飼いの横顔があらわれ。
…
「ば」「け」「もの、で」、「いいよ…」
音もなく、語り掛ける薄い唇が――動いた。]
[庇える体はもうないから、無き心でも庇う――
雪が降り始める前、コテージで休むことを
養蜂家が勧めなければ彼は帰っていたはずで。
「頭痛」「が、」
「治まる と いい…」
そのことを責めもしなかった相手へ、
頭蓋の削げた男の影が音なく囁いて*消える*]
[案の定、返ってきたのは滑稽な言葉>>73。化け物は化け物で変わりないというのに、何が違うというのだろうか。
女を後ろに隠すユノラフを笑って見ていれば、何かを投げつけられる]
なん…ッ!?
[咄嗟に上げた腕でそれを被ることは防げたが、気を逸らされた次の瞬間には足に衝撃が走り床に転がっていた。
馬乗りになった彼が顔に一発の拳をぶつけ、じわり、頬に痛みが広がる。
少しの耳鳴りの中、逃げろと叫ぶユノラフの声で我にかえれば。
彼は女に声をかけ気が逸れている。今だ。
片手に構えたナイフの柄を強く握り、それを大きく振り翳して馬乗りになっているユノラフの肩へと力強く刺した]
(゚Θ゚)<それにしてもこの国には胡瓜が足りないでやんす
(゚Θ゚)<伝説のキューカンバーソードも見つかるわけないでやんす
(゚Θ゚)<河童血族だけ増やしてあっしは帰るでやんすかね
(゚Θ゚)<早く故郷の胡瓜が食べたいでやんす
……あなた、 あたま おかしいわ
[こんな私の傍に居たいだなんて。
欲しいと望んだ言葉だけど、選ばれるはずがないと
信じて疑わない…は、思わずそう返す。
村一番のお人よしで、誰よりも優しい男。
きっと誰にでも同じ事を言うんじゃないかしら。
冷たい皮膚に、温かい唇が触れて、
そこにだけ熱が篭ったように。
もし、これが。
わたしのためにしてくれるのなら──]
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