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………その男は、
しあわせになれないかも知れない。
[>>*12頭の中へ聲には、優しく。]
水底には、蝶はいない。
[薄れ行く意識の中、最後に触れた手の感覚だけが
しっかりと残っている。]
ユノラフさん、
ユノラフさん
わたし、あなたの事を──愛してました。
[そうして目を閉じて、さようなら。]
[>>*13愛を綴る女の言葉を、どうにか伝えたくて。]
マティアス、頼む。
……ユノラフに伝えてやってくれ。
イェンニは、
醜い姿に成り果てても、
お前を愛していたと。
[冷静に事を眺めながら、そうして彼女の遺言を]
[想い人を瞼の裏に描きながら、涙で濡れた瞳は閉じられた。
伸ばした左手はただ触れるだけ。
醜い化け物はもう動かない。
嵐が止んで太陽が顔を覗かせるのもそう遠くはないだろう。]
[嵐が終わったら、村人が待ち望む祭の再開。
ユハンヌスは終わらない。
櫓はまだ湖にあるのだから。
さあ、火をつけましょう。
コッコの炎は高らかに天を指し、
水の悪魔は二度と現れることは無い*]
はァ!?
[マティアスの問いに答えたのは、ミハイルだった。
ニルスがイェンニを殺そうとしている事、そしてユノラフが怪我をしている事を端的に告げられる。]
[イェンニを助けなければ、と、思った。
ユノラフは、きっと、怪我をしていてそれが叶わないのであろうから、と。
けれど、自分には目がない。
もし止めようとして誰かを殴ったとして、それがニルスである確証を持つ事が出来ない。
下手に動いて、逆にイェンニを、あるいはユノラフを殺してしまったら?
どうすればいい。どうすれば、どうすれば、どうすれば―――
マティアスにはどうする事も出来ず、立ち尽くす他になかった。
小さく、謝罪の言葉を呟きながら。]
……あァ―――
[どれほど経っただろう。イェンニの声が聞こえなくなった頃だったろうか。
ミハイルの声が聞こえる。
自分に頼み事をする声が。]
…………ユノラフ。
イェンニはな――――――醜い姿になっても、お前を愛してたってよ。
[結局、死者の声を聞くくらいしか、自分には出来ない。何と無力な事だろう。
マティアスは唇を噛みながら、静かな声で、それだけを友人に告げた。]**
[首を締めている途中、苦しげに動く彼女の左手がニルスの手の甲に傷を作る。それは彼女が生きた証を残すかのように。
やがて呼吸音も絶え絶えになってきた頃、不意に伸ばされたイェンニの手にびくりと肩を揺らす。
その時の顔が、まるであの優しかった母のようで。
ニルスはそれを拒絶するかのように、最後の力で首を一際強く締めた。
そして伸ばされた手はするりと落ち、皮肉にもあの時に届かなかったユノラフの手へと触れていた]
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