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あ、いや、お気になさらず。
しょーじき、宛てもない手がかりもない、ないない尽くしでどーすっか、取りあえず歩いてみっか、てな感じでしたし。
他にも人がいる事がわかっただけでも、大きいですしねぇ。
[引き止めについてはさらっと返す、ものの。>>90
続いた言葉にはほんの少し、苦い笑みが浮かんだ]
……見つかる、と。
そーですねぇ。
[返す言葉はどこか気のない声。
どこか気怠い雰囲気を絶ち切るように、ぱしん、と音を立てて扇子を閉じる]
んじゃ、ま、取りあえず俺はもう少し歩いてみますわ。
ご縁があったら、また後で。
[軽い口調でそう紡ぎ、一礼した後踵を返して展望台を降りていく。*]
[>>*6男性からも、誰にも会ってないという返答を聞くと不安はより増した。
ゼンジからの声が届いているから、流石に半泣き逆戻りとはいかないが]
…そう、ですね。
アタシも探してみます。
人だけじゃなくて、なんか変なものとかあるかもしれないし。
歩き回ってみればココがどういうトコかとか、解る…かもしれないし。
[鍵と螺子を見つけても元の所に戻れるかどうか、あの兎の言葉では確証は取れなかった。
けれど他に手掛かりも無いし、とにかく今は動くしかないと結論づけたのは、胸の中の不安をごまかす為。
無意識、耳に微か届く歌声から逃げることも、この場から離れる理由の一つだった]
アタシ今、街の中にいるんですけど。
まだ誰とも会ってないんです。
休みの日だしこんな昼間だったら、レストランとかお店とか人いるはずなのに。
誰も住んでないみたいに、静かなの。
[ずっと感じていた不安、違和感の理由の一つを明確に口にしてから]
……もしかしたら、自分の意志で、いなくなっちゃったのかも。
[話の流れでいけば、街の住人を指したように聞こえるだろうが。
違う意も含みながら胸に浮かんだ思いを言葉にしたのは、逃げようとしたのに離れること無く届く歌声のせいだった*]
さわ はつね さん。
私、楊宝鈴といいます。中国の****省から来ました。
今は×××大学の学生です。
[よろしく、とこちらも一礼。]
[短く自己紹介を交わし合うと、強く仲間意識を感じる。
自分の単純さに内心呆れながら、]
他にも、この世界……異世界なのか何なのかわかりませんが……
ここへ来ている人がいます。
あの灯台の下、展望台になっていて。
ウミさんというおじいさんが、猫と一緒にこの世界へ。
兎に探し物を頼まれたという話も同じでした。
[崖の上の灯台を指さし、初音は提案した。]
一緒に行きませんか?
町はずれから遊歩道がつながっています。
もしかすると、他にも何人か呼ばれているかもしれません。
町の中で出会えるかも……
……確かに、そーなんだよねぇ。
この時間ならもっと賑わってそうなのにしーんとして。
[それは、自分も歩いていて感じた事だから、そのまま同意して]
……自分の意志で、かぁ。
確かに、そうかもなぁ。
しかしそれじゃあ、捜すのは難しいやねぇ。
[何が、何を、はぼかしたまま、もう一つ同意を返す。
自分から消えたものは探せない。
全く違う事象と現状を重ねて否定している事は無自覚なまま。*]
[雑貨屋前から足早に離れ、どれ程経っただろうか。
歩きながら街並みを見ていくにつれ、感じる違和と伴う不安は徐々に強くなっていた。
何時からか耳に届き続けている微かな歌声も、それを助長していくようで]
…なんで、誰も居ないのよぅ…
[おそらく商店街だろう店の連なり。
ラインナップを見る限りでは繁華街とまではいかないものの、そこそこの賑わいはありそうだ。
なのに、人影が一つも無いのが不自然極まりない。
まるで街の住人が丸ごと消えてしまったかのような、こんな場所で一人きりということがより怖さを増して]
なんか、理由でもあるの…?
[何で自分が此処にいるのか、どうして誰もいないのか。
それ以外にも、不思議に思うことの幾つかに対しての疑問を声に出しながら無人の街並みを進んでいく。
耳に届く歌声をかき消さない程の、波の音には気づいていたけれど。
その音の聞こえる方に足を向けようとしていないことには無意識気づかないまま、あてもなく歩みを進めていた**]
[一人、否、一匹気ままに歩く飼い猫は、塀の上や茂みの中を通り抜けて駅前までやってきていた。
うろうろと、半ば迷うように歩いていたのは、この場所が歩き慣れた街ではないことに起因する。
駅前に出ることが出来たのはほぼ偶然のことだった]
「なぁう」
[人気の無いその場所で、飼い猫は一人の女生徒を見つけて鳴き声を上げる。
封筒を握り締めた少女は鳴き声に驚いて、勢い良く飼い猫の方へと顔を向けていた。
二足歩行する兎と異なり、普通の猫らしいと判断したようで、ほっと胸を撫で下ろすのが見える。
その所作を飼い猫はゆらゆらと尻尾を揺らしながら見上げていた*]
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