学生 クルミは、自分の声が笛の音に混じる雑音になったことを悲しく。

学生 クルミは、学生 シンヤの言葉にゆっくりと目を瞬いた。「知って、る？」

翻訳家 モミジは、学生 クルミクルミ、それは死者の尊厳を無視した、生者のエゴデス…。

移民 ヌイは、ロッカの笛の音に顔をあげる…摂理を曲げるつもり…か…

翻訳家 モミジは、クルミ、学校にルールがあるように、世界にもルールアリマス。

翻訳家 モミジは、リウ、ヒトには心アリマス。リウ消えても私の心からは消えナイ。

学生 クルミは、硝子の砕ける音に耳を塞ぐ。

学生 シンヤは、そこまで言って、横笛の砕ける音を聞き目をぎゅっとつむった。

隊商 ロッカは、「かみさま……」と縋る声を出す。

学生 リウは、硝子の砕ける音に、びくり、体を震わせて。

移民 ヌイは、硝子が砕けた音に、俯き気味の顔をあげた。

学生 クルミは、薄れかけた月を、鏡を縋るように見る。