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[物騒だから、といつもより随分はやい時間に『もう帰れ』と言われる]
なんだよ、毅さん。
いつまでも子ども扱いするなよ。
俺、もう半年で社会人なんだぞ。
[...の抗議にも聞く耳持たないといった風に追い出され、仕方なしに家に向かって歩き始める]
ちぇ、面倒くさいことになったな。
ん?
[街灯の灯りの中にこはると来海の姿を認めて]
あれは…片方はうちの制服だな。
おおい、ちょっと聞きたいんだけどさ。
[すっかりと暗くなった道、電灯を頼りに路を、ナオは本を片手に歩んでいました。日が沈んで気温が下がったとはいえ、涼しいとは言えず、温い風が頬を撫ぜてゆくのに、眼を細めました。パラパラと頁が捲れて、ある一文が目に入ります。その単語を指先でなぞって、それから、口元を押さえました。]
……ぞっとしない。
[呟く言葉と顰める眉とは裏腹に、ナオの唇は、緩やかな弧を描いていたのでした。
ふっと、顔を上げます。目の前の街灯は切れかかっていて、断続的に明滅し、その先の灯りは失せていて、頼れるのは月と星の光ばかり。周囲には薄らと、けれど深く、*闇が広がっていました。*]
そっか。そうだよね。うん。
[自分を納得させるかのように、深く何度も頷く]
[それでも、心は一向に落ち着かない]
コハルは、こんな時間にどこ行くの?
[向こうからもう一人少年が近づいてくるのに気が付いた。]
くっくっく。
みぃーつけた!みぃーつけたあぁー!!
ふたりめだぁー。
[そして、闇に広げた思念の触手の先に、もう一人。]
あはははは。
さんにんもぉー!
ダメだぜぇ夜ってのはぁ、
お家の中でじぃーっとしてないとなあー。
怖い目にあいたくないならなぁ。くくく。
[しとしとと降る雨の中、一度自宅に帰ると直接二階の自室に上がって薄い夏の服に袖を通す]
突然尋ねんのも変だよな。
…つか二階堂の家ってどこだっけ。
[ばたばたと居間に入ると、黒電話の脇に置いてある連絡網を手に取った]
にかいどーにかいどー。
…あった。
案外近いな。
[投げるように、連絡網を元に戻して、ちょっと出掛けてくると台所に立つ親の後ろ姿に告げると二階堂家向かった]
[振り向いたもう一人の女の子にも名乗ると]
君も何か知ってることや気づいたことあったら教えてよ。
念の入った家出でも男の金で駆け落ちでもどっちでも良いけど。はっきりしてくれないと周りが誘拐だなんだってうるさくって面倒なんだよな。
君らとか尚更そうだろ?
[もしかしたらアンの交際相手か何かなのだろうか、一瞬そう思ったのだが、セイジの口調はその考えを簡単に吹き飛ばした]
同じクラスですけど、白川先輩はどういう……?
[歩みを進めると途中で不意に雨の音が止む]
ん…?
[確認するように手をかざしてから、傘を閉じる。回転させる勢いで、水滴を落とした]
晴れ女でもいんのかな。
[角を曲がった先の薄暗い電灯に照らされた三人の人影を見つけてぽつりと呟いた]
[ざわざわざわ……と、静かに、震えるように、闇が波打っているのが聞こえる。思念の触手はまた一人いけにえをみつけたようだった。]
あははははぁー。
お家を出て来た悪い子がもうひとりー。
いそぉーだなぁ。くくく。
[コハルの手を握る力が、無意識のうちに強くなっていた]
面倒って、失礼じゃないですか、そういうの。
[搾り出すようにそれだけ言うと、道の向こうから姿を現した人影に目を向ける。
傘のシルエットが、それが誰であるかを教えてくれた]
タカハル君、どうしたの?
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