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は?
[トゥーリッキの去り際、
残された言葉に首をかしげる。
去っていく二人を見送ってから、
手の中にある薬に再び視線を落とし。
いや、先にスープを飲んだほうがいいだろうかと、
薬を置いてスープに手を伸ばす。]
[食欲はあまり沸いていない、そう思っていたが、
こうしてスープを口にしてみると、
スプーンを進める手は止まらない。
瞬く間にスープを飲み終えた司書を待ち受けるのは、
ひどく苦そうな薬であった。]
―少し前>>126―
[丁度上着を脱いでいる頃合に戸が叩かれた。
小さめの女物の中からイェンニが服を見繕ったには早すぎる。]
…入れ。
[短く声を掛けて、入室を促す。
クレストの顔色は、元の肌の色を更に蒼白とさせて、
ひどく悪いものだが、死に際の土気色に比べればマシか。
新しいシーツと大きめのタオルを敷いた上に寝かせてある。
布団と少し黴臭い毛布をかけたが、
顔だけは赤いが肌はぞっとするくらいに冷たい。
濡れた上着を脱ぎ、足を踏み入れた養蜂家を見返し。]
災難だったみてぇだな…ドロテアはどうだった。
[ダメだと解っていながらも、一応尋ねた。
その後短い会話をいくらか交わしたか*]
[薬の袋をつまむと、
暫く迷いを見せた後、薬を飲む。]
ぐっ………、
[苦い。
粉のそれに咳き込みそうになるのを我慢しながら、
盆の上の水を一気に口へ流し込んだ。
それでもまだ口の中に苦味が残っている気がして、
表情は顰め面。]
…そうだ、お前が運んでくれたのか?
[ミハイルがそれを肯定するようならば、
спасибо、ちいさく呟く。]
─玄関先─
[クレストとダグが去った後、どの位立ち尽くしていただろう]
…へくしっ
[くしゃみと身震いで我に返る。
このまま立ち尽くしていたら、凍えてしまう。中に戻ろうとすると]
う、わ…っ
[ふわり、と雪が舞い上がり、視界が白くなった。しかしそれは一瞬の事で、すぐに視界は晴れて]
いやいや、待て。そうじゃないんだ。
[>>142爽やかな笑顔で勘違いの風呂敷を広げた侭の女に
制止を掛けるが、そのまま出て行かれた。
どうか悪ふざけでありますようにと願うばかり。]
ああ、体の内側から温めた方がいいだろう。
手記はほんとにあったのか。
後で内容を教えて欲しい。全員読むこたぁないだろ
[>>144水と共にスープを盆ごと受け取り。
サイドボードに器や水の入ったグラスを置いた時には
青年は目を覚ましてくれていた>>140>>141。
良かった、恥の上塗りをせずに済んで。]
スープ飲んでから薬飲めよ。
胃がやられそうな色だからな。
[>>149スープを啜るクレストは言わずもがなといった様子だが*]
……やっぱりなァ。
[誰にも聞こえないほど小さな声で、ぼそりと呟く。
めくらのマティアスには、死んだ人間と生きた人間の区別をする事が出来なかった。
死んだ人間の声を、聴いてしまう性質だったから。
それを自覚したのは、親が死んだ時。]
そうだな、…ずっと遠い所だ。
[>>138首を縦に振り。
余りのタオルを肩から羽織り、旅人の細い目を見る。
出身が不明と聞けば、首を傾げさせた。]
解らない…?
ああ、そういう事か。年齢まで知らないってのは、
[似てるかもな、と出かけた言葉をぐっと飲み込む。
確か100…いや200……?
人で無くなった時から歳を取らない体になったのだから
それが年齢なのかと謂われれば、微妙な所ではある。]
羨ましい…ね。
故郷が同じってだけで、そうは知らねえがな。
[>>145野暮と吟じてからイェンニに続き場を辞す旅人に、
おいと口を開きかけたが、そのまま見送る。*]
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