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[彼らは皆、微動だにしない。
ただひたすら、うっすらと目を瞑り、少しずつ花に埋もれ行く]
[穏、と鳴いた]
[呼びかけの声は、全て鳴声に変わる。彼らにけして届かない。
ただただ、沈み行く。自分も、皆も]
[近くに、義兄が立ち尽くしていることに気が付いた。
花びらをかきわけかきわけ、必死で手を伸ばす。
どうにか、手が届いた。
くるぶしまで花にうずまりゆく義兄の腕を取り、
必死で引き上げようとして]
[そうしていたら、ずぼん、と背後で音がした。
振り返れば、そこにあった筈のふくよかな人影が消えていた。
そこに残るのは、大きな大きな波紋だけ]
[花が艶やかに吹き上がる。そんな大きな波紋だけ]
ニキ......ニキ......
イトシイボクノニキ......
ヤットキテクレタネ......
[チェロの声がはっきりと聞こえる]
魔封じの神社。
占卦…霊の声…結ぶ者…
どれが敵なのか。
人狼…それが魔なのかもわからないが…。
しかし昨日ネギヤの命が絶たれた…。
それは人間からいえば魔であろう。
ならば…護る為には誰かを…
『死んだら終わりだ』
[ネギヤが呟いた言葉に、顔をくしゃくしゃにする。]
じゃあ、何でここに居るんですか。
……どこまで、行くんだろ。
てか、ここ、歩きにくいな………。
[ニキを追って歩いてしばらくすれば、周囲は山道になっていた。
少し考え事をしていたこともあって、彼女との距離は
少しずつ、でも確実に離れていて]
…………あれ?
[ふと気が付けば、彼女は藪道の中に入っていったのか、
周囲に彼女の気配が消えていた。
ぽりぽりと頭を掻いて、立ち尽くす]
先生、ネギさんの先生なら、見えますよネ?
[とことこと堂禅に近づいて、声を張る。]
ネギさんもご飯食べたがってますよ。
[医師は反応を示さない。
ネギヤは、当然だとばかりに深く頷いた。]
小姐 パオリンは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
余計な事を言ってしまいましたかね。申し訳ありません。
[備前が黙り込んだ理由には気付かぬまま、頭を下げる。]
話していても徹底的に合わない人の一人や二人、風雪センセにもいるでしょ?そういうことなんですがね。
[頭を上げた後、ぼそりと。]
……疲れました、ね。
なんだか。
きっと、あんな夢を見たせいだと思いますが。
少し、休憩しましょうか。
[ハナミズキから離れると、近くにあった大きめの岩に腰を下ろし、ぼんやりと*]
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