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HG君もありがとう。
[ギンスイにも礼をして、ゆらりと歩き始める。
数歩すすんで立ち止まり、振り返った]
明日は夏祭りね。
[サングラス越しにも分かる満面の笑顔ひとつ]
─境内のどこか─
[先ほどヨシアキに教わった場所を確認するかのように、再び歩いている]
あれはどこにあるんだろう。始まれば分かるか?
まったく面倒な依頼に──
[小さく呟きながら、メモになにやら書き付けている途中。
──ちりりりりん。
古風なベルの音がした]
噂をすれば、影。
[ポケットから携帯を取り出して液晶に映し出されるメールを読み上げる]
[途中少しだけ道に迷って村人とすれ違ったりしつつ、
なんとかネギヤ叔父の家に帰り着く]
ただいまー。
[元気な声でも言って中に入ると、叔父はちょうど客間に入るところで]
お茶菓子? わかった。
[叔父の言葉に頷くと、頼まれた通り台所から茶菓子の器をとってきて客間に向かう]
しつれいします。
[客間に入ると、お客様にご挨拶。茶菓子を机に置くと、ぺこりとお辞儀を残して退出した]
[異国の風貌の女性と。]
えええ、
お連れさんとはぐれちゃったんですか。
[彼女の説明にぽかんとしている間に、
女性は歩き出していた。]
この辺りに宿泊できる場所はあの宿しかないから
すぐに合流できそうだけど……大丈夫かしら。
[去りゆく背を見守っていると、
突然振り返った彼女にカメラを向けられ、]
ぴ、ぴーす……
[うろたえつつVサインを作った。]
またね、ふーらいぼーさん。
あ、イルカ雲なくなってる…。
[空を見上げれば。
イルカの雲はなくなっていた。]
せんせー。
わたし、おうちに回覧板届けるね。
[家の近くまで到着すれば。
2人に手を振って、家へとのんびり*歩き出すのだった。*]
―ネギヤ邸―
こんにちは〜、うちの組の分の鉢巻きお持ちしました。
それといつも通り、冷蔵庫お借りしてもいいですか。
[ネギヤ邸のたたきを上がると、家人にことわり、
自治会用の飲み物を台所の冷蔵庫に入れた。
そして祭りの衣装が収められている座敷へ、
手製の鉢巻きを持って行った。*]
イルカ雲。
[その単語には、一度空を仰ぎ、眩しさに目を細めて]
うん。いってらっしゃい。
[ニキの家近くまで着くと、彼女を見送り。自分は萩原宅へと向かった*だろう*]
─祭り当日─
[その日は、すっぴん(に見える)に、淡い紅色のシャツにジーンズにスニーカー。黒く長い髪を1つにくくり、白い帽子をかぶり、首からコンパクトカメラを下げていた]
天気は大丈夫か?
[空は薄曇り。空砲の花火の音がぽんぽんと聞こえてくる]
さて、お仕事開始しますか。
[ぱしりと両手を鳴らし、歩き始める]
[神社の敷地を歩く。
問われれば笑顔で答え、写真を撮りながら、とあるものを探す]
鳴ってはいないようだけれど。
[依頼主から事前に見せられたのは、絵に描かれた、鈴というより鐸に近い、古い鈴の姿]
[ポケットには、季節はずれのザクロの実がひとつ]
代わりにこれを置いてくる、と。
昼間にやることなのかな──依頼とはいえ、やっかいな。見つかったら、運が悪かった、と。
[この場合、悪いのは運ではなく、手際だが、そういいきった。
そうして、鈴を探し、人気のないタイミングを見計らい、蔵や宝物殿をこっそりと探し*始める*]
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