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[非常灯のあかりが、薄く闇を照らす。
目が慣れれば、人の姿の判別くらいはつくだろう。]
今ここに何人いるかだけを、
聞いたつもりじゃなかったけど。
日記が遭遇するって言ってるのは、1stだけだし……、
[それからふと思い出す、
神の声が告げた日記の種類と性能]
……瞬間移動でも出来るお仲間がいる?
[己の日記はといえば現在『9thの、かしこさが1あがった』などと役にも立たないことを片耳に垂れ流している]
そうだったんだなー。可能性はあるんだな。
[小さく首を振って、頭を叩く]
おいらも死にたくないなぁ。
妖精やら精霊やら魔法やら幽霊やらがいない世界って、味気ない…。
だから、もしマシロが勝って、おいらが死んでたら、神になるやつに、世界をよみがえらせてくれるようにお願いして欲しいんだな。
ダメ?
ネギヤは、なんか彼女がそうじゃないって思える根拠でもあったの?
[意外そうな様子に、それが意外で尋ねてみた]
自分の世界がなくなるのが嫌なのは普通だよ、うん。
え? んー、まあ、そんなお願いが通じるかどうか……
生き残れて勝ったのだとしたら、試してみるのはありだけど……
[世界が増えすぎてとかなんかよくわかんない説明をしていた神の声を思い。
壊れた世界の復活が許されるとは思えない]
だめもとでいいなら、いいよ。
[言うだけなら、タダだ]
うー、よく知ってる人にそっくりだったから。10年来の付き合いで、それでおいらと同じく、必ず一番最初に死ぬ人で、同じように数千回死んでる妖精友達。
[何となく親近感、を説明するのは難しい]
よし、じゃあ、おいらが勝者になって神様になることがあったら、マシロの世界の復活ができるかためしてみるんだな。
[いいこと思いついたと子供のような顔で頷く]
妖精仲間か。
世界が違うからそっくりさんってわけだ……ていうか、一番最初に死ぬって、死んでも蘇るんだ?
[さすがに妖精の生死がどうだったかなんて覚えていない。
だから不思議そうに瞬きを一つ]
それはうれしいな。
まあ、負けないようがんばるつもりだけど。
[子供のような顔に、そう云えば年下、とどう見ても同年代かそれより上な風貌の相手を見やり]
じゃー、ネギヤと協力関係、と。
まあ、積極的に協力しなくても、お互い干渉しないって感じでもいいかもしれないね。
[手帳にそんな書き込みをしておいた]
―2F階段 閉店前―
[10thに逃げられた後。
覗き込んでいた絵日記に、新たな吹き出しが加わった]
『10thは、3Fで12thと会う。』
12thって、あのふとったおっちゃんか…。
[少し考えて、やっぱり当初の予定通り、
1Fの食品売り場を目指すことにする]
だってオレ様、ぜんっぜん他のやつら見かけてねーし!
もうちっと、こう、 えーと、 なんだっけ。
…敵を知れ?
味方になるかもしんないけど!
―1F・日用品売り場 閉店前―
[階段を下りて1Fに着いたのは、
4th&8th組や1stよりも、少し早くの出来事。
まだ彼らの存在には気付いておらず、
ゆえに未来日記は何も語らない。代わりに、]
『9thは、食品売り場でコショウではっくしょん!』
……?? なんか、あんのか?
[ちょっと嫌な予感がしたので、
先に日用品売り場に寄ることにした。
欲しいものがあったのだ]
えーと、…あった、あった!
[文房具売り場を覗き込み、
カラフルなペンがいくつも立ててあるケースから
シャープペンシルを1本ゲットする]
うん、おいらたちは何だろうな、ゲームの登場人物みたいなもので、一番最初に死んで、「ここに悪い魔物がいます」っていうのを皆に教える役なんだな。
おいらたちが死ななければゲームが始まらないんだ。
[と、簡単に人狼ゲームのダミーの説明をマシロにし]
うん、お互いをお互い狙わないってだけでありがたいんだな。12人全員といがみ合うのも大変なんだ。
[ため息をついて]
[タブレットを手に持ち、ディスプレイの明かりで目当てのものを探す。
それは登山用のヘッドライト。陳列品の棚から箱を出し、スイッチを入れれば]
ついた。
[それをマシロに差し出し、自らはもう1本箱から出し、頭につけ、明かりを消した]
これがあれば、両手がふさがらずに明かりが工面できるんだな。
物騒なゲームもあるんだねー……
死ななきゃ魔獣がいないのがわからないのも間抜けだとは思うけど。
そういう設定ならしかたないのか。
[絵の妖精なら、人の手によるものだからという納得をした]
誰かは蹴落とさなきゃいけないけど、なるべくなら効率よく鬼だけ排除したいしねー。
だって狙うってことは狙われるって事で、危険度半端ないし。
[やれやれと肩をすくめ]
!!!
なに、それ、急に明るくなった。
魔法はつかえないんじゃ?
[ネギヤが手にした明るいものに不思議そうに瞬く。
差し出されたサークレットみたいな物をまじまじとみやり。
恐る恐る受けとって]
魔法とは、また違うのかな。
[手の中で捏ねくり回すようにひっくり返していろいろ見ていた。
ネギヤが装着する様子を見て、同じように頭に付ける]
ほへー、こんなものもあるんだ。
物知りだね!
[美味しい物をくれた人は便利な物をくれる、と理解した。
にこにこと笑顔]
[食品売り場で食べ物をゲットするべきか。
それとも、先ほどの日記のコショウ云々が気になるから
止めておくべきか]
んでも、コショウだしなー。
別にそんな危なくなさそーじゃね?
[1Fの端っこの壁際で、
念のため確認しておこうと再度日記を開く。
さっきの10thとのびっくり遭遇で、かしこさが上がった成果だ。
するとコショウの記述は消えており、]
『9thは、スパイスの棚で1stを見かける。』
スパイス…?
んじゃ、もしかしてさっきのコショウってこの辺絡み??
[首を捻っていると、]
死ななくてもわかる魔法の使い手もいるけれど、結局死なないと誰も本腰入れて魔物を探そうとはしないんだな。だってその魔物は、人に化けることができて見分けがつかないんだから。
今のおいらたちだって、誰が鬼か区別がつかないだろう? そういうもんなんだ。
[そう解説し、鬼だけを落としたいという言葉には同感とばかりに頷いて]
うん、これは魔法じゃなくって、科学っていう技術なんだな。
ここを押すと、つく、けす。
[そうライトのオンオフの仕方を教え]
おいらのいた世界は、こことよく似たようなところだったからな。
マシロや11th、それから8thはなかなか慣れるのから大変そうなんだな。
つまり危機感も自衛本能も退えている、と。
まあ、人に化けてたらやりにくいかもね。
盗賊とかだったらばっさりいっちゃえるけど。
[現状に重ねられるとなるほど、ととても納得した]
便利な技術!
魔法がつかえないのは不便だけどそれを補えるものがあるなら、まあましかな……
[ふんふん、と頷きながら付け方と消し方を覚えた]
あー、魔法使いのおねーさんとか、獣人だとかいってた子はたしかに。
知らないものが大半だもんなあ。
それでもなんとかなるきっと。
私はネギヤに教えてもらえたし、助かった。
[ありがとう、と笑みを浮かべた]
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