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今日の夕刊にアンデルセンが出ていたのよ。
そしてあたし思ったの。
人魚姫ってどういう話だっけー?教えてぐーぐるせんせー。
なあじいさん。人って……不老不死になりたいもんかな。いや、なんでもない。
[真面目な顔して言った。
白い貝殻を見て]
これ、アンの、だよな。結局、なんだったんだか。
[漏れる、嘆息。
ドウゼンに礼を言うと診療所を出る]
んなぁ〜う。みゃあ〜う。
[何度か鳴いても相変わらず校長が気付かない様子を見れば、
そろり。しなやかな動きで通夜の行われる間を抜け出して玄関へと。
開放されている玄関の外に見えるは相変わらずの雨模様だが、今は昨日程には雨音も強くない。]
……みぃ。
[ぺろぺろと毛繕いを終えれば、家の外へ]
[あちこちふよふよ彷徨った結果、自分の身体は校庭の伝説の樹、もとい紅葉の下で倒れていて、ケンは吊り橋のところで――皆が一緒にいる目の前で「つめたくなって」しまったらしい、という情報を得た]
ふむふむ。怪奇現象だね。
あれか、あたしがあまりに医者いらずを主張したから、消されてしまったんだろーか。
つまり、犯人はドウゼン先生!
[何もない空間を指さした。どーん]
……すみません。
[校長宅に行ってありのままを伝えると、悲しみに暮れるまま「準備」をする其処を後にした]
[ケンがどうなったか、気にならないわけではないし
フユキにも行くと伝えていたから。]
―翌日・蔵―
[そろりと歩いていって、神輿と臼の間を通り抜けた頃には、かび臭さと暗さには慣れていた]
雷神様に怒られるぅ……
[しんと冷えた空気。
一番奥に、その木箱はあった]
[診療所に着くと、すぐにケンとナオの死を聞かされる]
!?
……そうですか。
[ケンに関してはまだ覚悟もあったが、
まさか吊り橋にいなかったはずのナオまでもが死ぬなんて]
[急に実感をなくしたホズミは、それしか言えなかった]
それはともかくとして、だ。
するってーと、アンちゃんやケンもあたしと同じよーに、そこらをふよふよしてるのかね。
体が冷たくなってて、こーやって意識が外へ抜け出してるってことは、つまり死んでるってことになるんだけども、なーんか死んだ気はしないんだよね。いや、死んだことないからわかんないけど。所持金半分になってもいいから、教会で生き返ったりできないかなー。
冷蔵庫のりんごゼリー、賞味期限いつまでだっけか……。
――茶屋――
[なるべく雨を避けて移動してもやはり体はいくらか雨に濡れる。茶屋の老婆が濡れた体をタオルで拭いてくれるのは雨の日にはよくある出来事]
なぁ〜う?
[きょろ。きょろり。
と茶屋の中を見れば、老婆はご主人は忙しいようだねと、今はヘイケも出かけているから遊んでもらうのは無理かもしれない、そのような事を猫に話し、そろそろお腹のすく時間かと、甘納豆を数粒分けてくれる。空腹の猫がそれに口をつけるのを確認すれば老婆は再び店の奥へと戻っていく]
………
[こくり、と口の中の甘納豆を飲み下すと、老婆が戻っていったのとは別の方向……店の中の一点をじーっと見つめた]
なぁう?
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