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……そりゃ、俺だってこえーよ。
こわいから、目ぇそらしてたんだよ。
でも、そんじゃなんもかわんねぇじゃん。
……いつまでたっても、一人で弾くしかできねーから、だから……。
[怒鳴った後に、ぽつ、と付け加えたのは。
このままじゃいけない、と思っても、でも、このままでいたい気持ちも何となくわかるから。
でも、そこに囚われたらいけない──いや、現実的にやばい人がいる、と、そう思ったからが結構な比率なんだけど。
怒鳴り声と、囁きと。
二つのこえに、雪色はまた、揺らいで。
風がゆっくり、動きを止めて。
雪が──止んだ。*]
[雪が止んで、少しして。
ぽてり。
空から落ちてきたのは、時計を持ったましろの兎]
『やあやあ、どーやら見つかったみたいだね、『たからもの』』
[例によって悪びれた所、全くなしの様子で言いながら。
兎は懐中時計を懐に押し込み、くるり、その場で回転した]
[ぴょい、と差し上げられるふわっふわの手。
そこに幾つかの光の珠が舞い降りる]
『……んー、とりあえず、『時計』の修復はできそう、かなぁ?
よし、それじゃー』
[光の舞い降りた手をぱん、と重ねて、ひょ、と離す。
そこに現れるのは、虹色の『鍵』と空色の『螺子』。
虚空に向けて突き出された『鍵』がくるり、と回ってかちり、と音を立て。
続けて出された『螺子』がくるくるかちかち、何かを巻いて、そして。
──時計の鐘が、12回、ゆっくりと鳴り響いた]
『……ねぇ、知ってた?』
[鐘の音が鳴り響いた後、兎は手にした『鍵』と『螺子』を器用に投げ上げ、一回転させて受け止めた]
『雪って、つめたいけど。
……でも、凄く、あったかいんだよ』
『でも、やっぱり、つめたいから』
『ずっとそこにいたら、『時計』も凍り付いて、時間が『眠っちゃう』んだ』
『だから、ちゃんとし起こしてあげないと、なんだよねー』
[キミはわかったみたいだけどね、と。
兎はくすり、笑ってその場で一回転]
『さてさて、これでぼくのお仕事一段落』
『この場の『時計』は直ったから、後は、キミたちが望んだ時に、望んだ場所へ戻る事ができるはずだよ』
『……うん、多分、ね!』
[何やら無責任な事を呟いた後、兎は『鍵』と『螺子』を空へと投げ上げる。
虹色と空色の光が散り、直後に、かしゃん、と何かが砕け散るよなおとが響いて。
──柔らかい陽射しがふわり、空から射し込んできた。**]
/*
修復ロルお疲れさん。
箔源君の設定をまだちゃんと掴みきれてないけど、歌詞読むと端々が嵌る感あるね。
〆を期待しようw
[上手くピントが合わないから、中の塩ビ人形が何を模しているのかわからない。
だからこそ浮かぶのは、記憶に残る最後のクリスマスプレゼント。
従兄弟の真似をしてモデルガンが欲しいと言ったのに、女の子なんだからと人形を贈られた]
サンタさんって、ちょっと勝手だよね。
[友達の持つリカちゃんともジェニーちゃんともバービーちゃんとも縮尺が合わなかった人形は、ちっとも嬉しくなかった。
その後父は亡くなり、結果的にそれが最後のプレゼントとなった。
祖父母宅へ行くこともなくなったし、親戚の話が上ることもないまま大人になった]
あー、あれ、聴きたいな。
[仕事帰りに時折駅前で見かけた演奏のことが思い出されて、この街の古ぼけた駅へ向かってみることに*した*]
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