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[やけに朝顔が目を引くなぁ、なんて思いながら見慣れぬ街並みを見回したが人影は見当たらず。
誰もいないのかと思った最中に聞こえた声は、少女の混乱の波を引き戻すには充分だった]
───〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?
だ、だ、誰!?
さっきのウサギの仲間!?
[平静であれば、青年くらいの男の人の声だと解っただろうけれど。
色々起きたばかりの混乱状態では気づけぬまま、半泣きになりながら質問を投げた。
己の声もまた、相手と同じようなものに変化していることにもまだ気づくことは無く**]
[少女の顔に安堵の色が宿る>>28。
その様子を見て、ウミもまた笑みながら頷きを一つした]
ほほぅ、お嬢さんも見たのかね。
あれは妖の類なのかもしれんが…邪気は無かったからのぅ。
どうやら困っておるようじゃからの、手伝うてやろうと思うてな。
さぁて、『鍵』も『螺子』も何を示すのか、それはわしにも分からん。
じゃがわしらに頼んだと言うことは、わしらならば探せると言うことなのじゃろう。
……不思議なもんじゃ。
わしの目にはここが「過去」のように映っておる。
ここは「現実」ではないのかもしれんのぅ。
[矢継ぎ早に疑問を口にする少女>>29に嫌な顔一つせず、考えていることを答えとして紡いでいく。
結局のところ、ウミにも現状を把握し切れていない。
目にしたものを断片的に知るのみだ]
ふぅむ、境遇はわしと似ておるようじゃな。
[あおいろに包まれた後に兎に逢った。
話を聞く限り、少女とウミは同じような体験をしたらしい。
今居る場所を不思議と思うのも同様>>40のようだ]
おぉ、ご丁寧にどうも。
名乗らずすまんかった。
わしは海庭千一と言う、皆からはウミさんと呼ばれておるよ。
[一礼と共に向けられた名乗り>>41に名乗り返し、ウミもまた頭を下げた。
それから飼い猫を指し示す]
あの子は海守(みもり)と言う。
どうやらここに興味を持ったようじゃの。
[ここに来てから飼い猫が思うことが何となく分かるようになった気がする。
単なる思い込みなのかも知れないが、以前は無かった不思議な感覚だった。
少女 ── ハツネが飼い猫を追うように足を出すのを見れば、「気を付けてな」と声だけ向けて見送る心算]
[当の飼い猫は追われるのも気にせず、海岸への道をひた歩く。
目的があるような無いような、猫特有の気紛れにも似た道の選び方*]
[見回した公園に、人の姿は見えなくて。
さて、どうしたもんか、と思いながらまた頭を掻いた]
……つーか。
ここって、似てんなぁ。
[昔通った違う場所の公園に。
10年ひと昔、そんな言葉がふと過るような時間を隔てた思い出に浸りそうになるのは、微かに聞こえる歌声のせいか]
……あー……こりゃ、あれか。
昨夜、親父としょーもない喧嘩した影響か。
[誰もいないのをいい事に、そんな言葉を吐き捨てる。
いい加減嫁を、という父と言い合いになり、結果、向こうがダウンして物別れに終わったのは昨夜の事で]
……だいったい。
俺がバツイチになったん、誰のせいだっつーの……。
[妙に低い呟きは吹き抜けた風がどこかへ浚う。
やれやれ、とため息ついた後、とにかくここで立ち止まっていても、と下駄をからころ鳴らして再び歩き出した。*]
[自己紹介を交わすと、初音にも微笑む余裕ができた。]
ウミさん、ですか。>>42
よろしくお願いします。
[猫の名前を教えられ、]
ミモリちゃん?
[呼ぶが、猫はそのまま、灯台の下にある海岸へ降りていくようす。>>43
追いかけようと数歩進めば、
ウミからは「気を付けてな」>>42と声だけかけられた。
どうやら、彼はこのまま展望台に留まるつもりらしい。
老人をひとりで残しておくのも気になるが、
初音はもう1度軽く頭を下げると、歩き出した猫を追いかけた。
海岸へつながる道は下り坂と急な階段で、
ウミの足には負担なのかもしれないと思い直して。**]
朝顔きれー…って、そんな場合じゃないしっ
てかアタシ、鞄…あった、良かったぁ…
[大輪の朝顔に思わず見とれかけたが、すぐに気を取り直し。
無意識に抱きかかえていた鞄に目を落とすと一瞬安堵するも、表情がへにゃりと崩れ]
…てゆーか、本当、もう訳わかんない、
アタシ川に居たのに何で街ん中にってか本当どこなのココ…
さがすって言ったって、どこかもわかんないとこウロウロして見つかる訳ないじゃんよぅ…
[何時からかじわじわと浮かんできた涙で半泣きになりながら、その場にしゃがみこんだ*]
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