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[「 ―― ピッ ピッ ポーン ―
―― 15時 ちょうどを ―― 」
[時刻を伝えるラジオ音声。
それを聞くや、ギターを置き。やかましい足音をあげて階段をかけ下りた。]
[机上のラジオカセットレコーダーの傍、ペンと、何冊かの月刊トワイライトが残された。
開かれたトワイライトの投稿ページには、「ペンネーム・ミズホ」の字も載っていた。]
― 民家・茶の間 ―
みんなっ 知ってるかーーっっ?
18時までー 残り3時間をきったぞ! いぇあ♪
[右手の人差し指を天井へ高々と掲げ、左手を腰へあてて叫ぶ。
常からこのテンションなのである。]
[茶の間のガラス戸越し、裏庭に見えたのは、弟だ。
何かとうるさい姉に頓着せず、金属バットで素振りを黙々と行っている。]
ねーねー、あんた。
おまわりさんにもちゃんと伝達したんでしょーね?
村で重要な事があるから、18時に集会場へ行くように って。
[サッシ戸を開け確認をとれば、弟が頷きを返す。]
[そしてまた弟は素振りへ戻った。
ブン――。 ブン――。 バットが空をきる音。]
…
そろそろ。ネギヤくんを探そっかなっ。
あとはよろしく、弟よ。
んじゃ♪
[今の時間帯なら、彼、まだ放送局かな。
呟くと、スニーカーを履き、地を蹴った。**]
― →ラジオ放送局 ―
[年下の従兄がそうしたように裏小道を経由し、ラジオ放送局へ到着する。
続いて特に断りも入れず局の内部を歩きまわり、観察したものの、求める餅肌は見つからない。
しまいに乗りこんだ先は、点灯中のオンエアのランプの向こう。]
(はろー。はろー。ボタンちゃん。
ねーねー、ネギヤくんは? もう行っちゃった?)
[微かな灯りの中、司会席で身じろぐ影が視認できた。こちらの小声の問いは認識されたようだ。
司会の女が僅かに首を縦に示し、言葉に換え。返答としてよこした。]
[こっからネギヤくんが何処行ったか、は ボタンちゃんにもわっかんないよね。]
(教えてくれてサンクス、ボタンちゃん。)
[出入り口へ戻りかけた矢先、小さなヒトガタと遭う。
それは前方を向き座したたまま動かない。]
ボタンちゃんのボーヤじゃーん、はろー。
なに、最近オイタがすぎるの?
元気なのは何よりだけど、ボタンちゃんを困らせちゃ駄目だぞ。
[ くすり 笑み。
ボーヤの頭をぽふぽふと撫でてから、ラジオ放送局を後にした。**]
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