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─ どこかの路地裏 ─
[どこかうきうきしたような足取りで歩く、薄茶のジャンバーを羽織った壮年の男一人。胸に時折手をやっては、笑みを浮かべている。]
へっへっへ。今日は旨い晩飯が食えそうだぜ。ありがたい。
[やがて男は、三階立ての古ぼけた雑居ビルに入ってゆく。
黄昏時。程なく灯りの点った窓には、
《萬屋探偵事務所》
との赤い文字が書かれていた。**]
─ 探偵事務所 ─
[懐から、厚みのある茶色い封筒を取り出すと、腰かけている机の上の黒い電話のダイヤルを回す。]
あー、もしもし?来々亭さん?探偵っすけど。
青竜定食に、エビチリつけたの持ってきてくれるかい?
……あはは、大丈夫、がっぽり報酬もらってっからよ。
んじゃ頼むぜ。
[電話を切り、煤けた室内を見回す。
流行らぬ探偵事務所としてはこんなものかという風情の調度。]
……まあ、こんなもんなのかねぇ。
[呟いた口元には、薄く苦い笑みが浮かぶ**。]
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