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― 挿話・屋上庭園/崩壊間近の楽園 ―
[憎悪に彩られた瞳で覚悟を口にした翼人は、
空を捨てず自ら軽業師のもとへ歩を寄せた。
煤吐く男が、迎えるに熱い手を差し伸べる。
…彼女がにべもなくそれを無視出来るように]
横になって
うつ伏せ 上体だけでいいから
…そう
[庭園に生える芝は、まだ幾らか青さが残る。
芝刈る庭師もいないからにはふかりと沈む。
奇形に縒れた姿さえ、褥の柔らかさを増し]
…よく
ここまで飛んでこれたもんだ
[漏れる感慨は、風切羽に見える損傷具合を
よく見る鳥の大きさと単純に比較した結果。
彼女の身体の横へ片手をつくと屈みこみ…]
失礼
[短く声をかけぐらつく羽の根元を銜えた。]
[身を固くする翼人から声は上がったろうか。
少し間を置き、熱い手が背をほとほと叩く。]
…ん
[羽根の元を含む口唇から、じわりと沁む熱。
コールタールより濃く、黒い黒い黒い――
ピッチと呼ばれる瀝青(れきせい)に近い物。]
[八年にたったひとしずく滴下する其れとは
いかずとも、限りなく固体に近い"流動体"。
周囲に無事な羽と共に固め支えてしまえば、
痛みは幾らか残れど動作に支障ないはずで]
… ふ ゥ、
[時折の息継ぎは、煤広げるを憚る息遣い。
其の人の背を掠める吐息に苦情が出たなら、
返事の代りにまた銜え――ひと時が過ぎる。]
そう言えばさ
お嬢ちゃん、なまえ
…なんて言うんだっけ
[双方が身を起こした際に、爛れた胸を
押さえる軽業師が空惚けた態で尋ねる。
――全うな応えがあれば、
呼ばず己の名も*告げて*]
― 挿話・屋上庭園/崩壊間近の楽園 了 ―
/*
肩こりに襲撃されてのたうちまわるターン。
マティウスつらいかな ううう
非狼アピ上等だからサンテリ発見とかしていいよ…!
俺合わせるし 合わせるし
遅レスで焦るのはこういうときだなあと想うのでした
[幾許か、また時は流れる。
――崩れた煉瓦階の落ちた先、
意識のないベルンハードが大の字に横たわる傍。
片鎖の切れた馬銜を深く噛む男の姿は、其処に。
俯いた肩へ、はら はら
淡くない紅の合歓の花が降ってくる*]
……
[強かに打ちつけた乳房、ふたつの央に
ひたり 熱が点る触。
指先で触れただけの其れは雨滴の如く。]
[己の裡へ逃げ込めばいいと 想いは*密か*]
― 挿話・放浪する復讐者との舞踏 ―
[――砂塵の街に、つむじ風が舞う。
墨色の夜に僅かなりとも往来のある界隈が
途切れ、瓦礫の中へ折れた柱ばかり立つ道。
道化たなりの男は其処で相手を待っていた。]
……
( ― 早すぎたかな ― )
[眉の曇る面持ちで軽業師が向ける問い。
…如何にも、急いた取立てを詫びる態。]
[取りっぱぐればかりを危惧した、得手勝手。
取引を重ねた客に類似の記憶はないだろう。
サンテリの返答を待ち、砂上へ歩を出した。]
[先の死合と異なる幕開けは、軽業師が奔らず
宙返りからの高い跳躍で間合いを詰めたこと。
迎撃の抜刀、切っ先を蹴りつけて背後を――
――取らせぬ とばかりの
鋭い肘打ちに弾かれ、長身が砂上を転がる。
先手に妨げようとした、薬包の摂取を許す。]
[再度飛び込む懐の裡、打突は胸の央に深く。
拳を振り抜けずに、顔を上げる――目を瞠る。
既に彼の人の瞳は紅い。
途端跳ね上がる、復讐者の脚力。反射速度。
横薙ぎの一閃に半ば振り回され、跳び退る。
肩から緩く羽織っていた外套が斬られ――
爛れる毒を刮げた胸の疵が、露わになる。]
[血塞ぎの片目側へ身を舞わせ、腕を取る。
長身の発条(ばね)で――投げる。
裂けた外套を千切り捨てる。
投げられながらも、逆しまに飛んでくる斬撃。
軽業師の膝下に鮮血とコールタールが飛沫く。]
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