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酒場の看板娘 ローズマリーは、ここまで読んだ。[栞]
[往来の足跡が消えた雪道を歩く。
教会の鐘が鳴る。
堂々たる寡婦、オードリーは夕暮れに処刑された。
社交的に振舞っていた彼女への弔いの鐘なのか、
人狼が駆逐された祝いの鐘なのか、
未だ判別はつかない。
否、判別のすべ持つ者がいるかすらわからない。]
[旧き男の夜歩きを見咎める者は居らず、
独り、朧に月明かりの降りる夜を渡る。
――そう、夜。
ヒトの為すつたない占術さえ力持つ時間。
こうして歩むあいだにも、存在の均衡を
乱されて溶けてしまう可能性を知りつつ、
淡く終焉に憧憬ある魔は破落戸の如く歩く。]
[酒場の窓は弱い月明かりを弾かずに、
帳に手をかけて佇む同族の姿を見せる。
先に気づいたのはどちらだったか。
合鍵はまだ懐の裡。
互いに健在であれば――回さない。
素っ気なく顎を揺らし、
同族を戸外へと誘った。]
― 夜・集会場/炊事場 ―
[学生は、実家に帰ったと言った。
その時覚えた感情は、なんだったのか]
さあ。
[胸の中に浮かんだ言葉をあざ笑う]
[投票用紙を集めていった自警団は、
たった一晩話しただけの相手を、連れていった]
……ばかなことを言ったわ。
[別れ際に、彼女に向けた言葉。
『かなしい』
と。
どんな顔をしていったのか、
彼女がどんな顔をしていたのか、思い出したくもない]
[火を落とした炊事場は冷える。
雪の夜はなおさらだ。
毛布を纏ってうずくまる。
かじかんだ手は良く動かないが、
かわりに握りしめた包丁を放すこともないだろう]
生きて、ここから出なきゃ。
[そればかりを繰り返す。念仏のように]
それで、
[あいつらに、復讐してやるのだ――**]
君にとっては、多少関係のある話なのかな?
やっぱり同じ人間が亡くなると、悲しいむものなの?
[くつくつと押さえても漏れる嗤いで、口許が歪む。]
あなたは、別の誰かもかみ殺したのね。
[悲しいか、そう問われて]
──わからないよ。
父さんや母さんが死んだ時は悲しかったけれど……。
[そうだったけれど。
あの時の事を思い出して、甦るのは、]
今夜みたいに月がきれいで、狼が遠くを駆けていくのが見えたの。
[その姿を見た時の胸の高鳴り]
[ノーマンの姿に気づき、足早に向かった寝室から持ち出したのは銀の銃弾]
こんな時間にふらふら出歩いて、何をしている?
[酒場の主人へと向けるのとは違う顔で笑う。
息が白く現れる夜道。
寄宿舎へと続く方を指差して、行くか、と*小さく言った*]
酒場の看板娘 ローズマリーは、夜までどろん[栞]
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仕事納め……なんと甘美な響き(小売業)。
にゃー、役職はさっぱり読めなかったっす。
ネリーが天魔COしたのかとギリギリまで勘違いしてました。
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