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………。
[ヒューバートの遺した、作業台に歩み寄る。
華やかな春の花をあしらった、一枚の布。
きっと彼の愛娘のためのものだろう。
それを手に、ステラの元へと歩み寄った。]
ありがとう、…ステラ。
[シスター、ではなく。
名で呼びかけた小さな声は、聞こえたか。
それ以上を言うことはなく、彼女たちが暖炉へと歩み寄る様子を見守った。
白いドレス。
僅かに歪んだ表情を、俯いて隠す。]
[厨房の棚を漁っていると、立ち聞きをする気はなくとも、墓守がとつとつと話し続けているのが聞こえる。>>12 >>13]
―――――っ!!
[これまでになく、激しい眩暈に膝が折れ、食器棚にもたれかかる。]
(集会場は、3人には広すぎた。
暖炉をめいいっぱい焚いてさえ、全く部屋が暖まらなかった…。)
[暖炉へと歩む途中、自分の名を呼ぶ声が聞こえたような気がした。普段はシスターとしか呼ばれないので、それはとても懐かしく]
私も、一時だけ…いつかの私に戻ってもよろしいでしょうか。
私の時間も、後どの位あるか…わかりませんものね。
[振り乱されたキャロルの髪を撫でて軽く整え、自分の袖で涙で崩れた化粧をそっと拭った]
―…しかし彼の記憶には混乱がある。
>>1:89私は早々に『鑑定』に掛けられ、人であると判断されたんだ…。
今思えば、久方ぶりに帰って来た息子が実は人外に変化していた、とかいう事態は拙いと。
何とか父が策を巡らせた結果のような気がするが。
だからこそ、ハーヴェイに宣告する羽目になったり、葬儀の手配に駆け回ることになったのだから…。
そして私と、ギルと、ユージーン。
ごく短期間、共に旅した男と。
長い付き合いとはいえ、内心の伺えない男。
私はどちらを信じたのだろう?
いや、待て。
結果は3人とも死―だ。
>>3:69 ギルが言っていたように、生者がここに紛れ込んでいるのでない限り。
と、すれば死にゆく瞬間、私か、残りの人間が、相討ちにまで持ち込んだようだ…。
しかし、いずれにせよ、村は…。
つまり私は、失敗した…。
[幸いまだ死の瞬間の記憶は蘇って来ない。
...は厨房の床にへたりこんだまま、呼吸を整えている。]**
[厨房の床にへたり込んだ男の上に
猫背の男は腰をかがめ]
どうも…
[ぼそり。と陰気な声が、]
…おれは、あんたを、
── 埋葬したかったみたいです。
[ぼっちゃん。と、温度の感じられない、死人じみた声が、コーネリアスの耳に囁いた**]
[こちらを見つめるハーヴェイには、肯定とも否定ともつかない沈黙があり]
…甘えてしまいましたわね、申し訳御座いません。
[それを否定と捉え、手を振りつつ暖炉の傍へ座った。
大きな息を吐き出し、思い出したのは先程の彼の歌>>3:90 >>3:93]
(……『どうか無事で。世界を回り人の心を学べ』
牧師様からのお言葉は今頃伝えても遅いですわよね。やっぱり。どうしましょう…)
それにしても…悲しい歌でしたわね。でも…小さな頃に聞いた事があるような気がするのですわ。
コーネリアスのお母様が……
[キャロルに話し掛けては時折ハッと口を噤む]
(大切なご家族を喪ったばかりですのに…私は何を…)
[そこで独り言の如き会話を止め、代わりの何かを思い付く。小さな声で何らかの旋律を紡ぐのを聞けば、
それは普段歌われる賛美歌ではなく、*子守唄*]
(──…かみさま)
[音なき音。
小さな囁きに押されるようにして、躊躇いがちな手を伸ばす。
そっと触れたのは、乱れた長い髪。
それを整えるように、指で撫で梳く。
怯えたように、悼むように、
──いつか、遠い日に微笑んでそうしたように。]
(ぼうっと、何かが視界の中迫ってくる。)
>>27 ――っちゃん。
(氷より冷えた声が耳に這いこみ、それではっと、こちらの瞳を覗き込んでいる顔に焦点が合う。
その言葉にぞくり、と目を見開くが、先ほどの眩暈よりは衝撃が軽い。
―それに、)
普通そんな事言われればどきっとする所ですが…。
本職の方に言われるのじゃ、かえって愛情さえ感じる台詞ですよねぇ。
(くつくつと、笑いさえこみ上げる。
私は狂ってしまったのだろうか?)
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