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[玄関で、スニーカーの紐を緩め脱ぎ捨てる。
グラウンドの砂のにおいが、ふっと鼻をかすめた]
こわい。
[今日一日の記憶が、瞬く間に*乱雑に蘇っていく*]
*/
何が起きてるのか、わからないのが怖い。
何が起こるのか予測出来ないのが怖い。
私が、私じゃないみたいで怖い。
[微かに震える左手を、見下ろした]
/*
クルミって、胡桃の発音だと思ってたんだけど
来海だとクにアクセントなんだよね…?
ウツミ、みたいな。
胡桃のが好きだなぁ。
というか、名前にすればよかったかー。
タカハルみたいに私も何か設定を作ってみたいぞ。
魔球とか!
[夏休み二日目。
クルミは、学生生活初のサボりを決行した]
[セイジが出入りしていたという噂を聞き、ジャズバーとやらに近寄ってはみたものの、昼間のそこは人影もなく]
ダメだこりゃ。
[足は惹かれるように学校へと向かう。
他に行き場もなかった。
校庭から姿を見られぬよう、こそこそと校舎内に踏み行った。
胸には罪悪感が満ちている]
誰もいない。OK。
[アンとセイジの共通項、肝試し。
3年教室の机にチラシはないかと*探しはじめた*]
*/
[机の中はほとんどがからっぽで、探す手間はかからない。
というか、見つからない]
[かみさまが見せた夢かも知れない、夜のことを思い出す]
たとえ子ども扱いでも、嬉しかったんだ。
[吐き出してみた。
誰もいないのなら、いとも簡単に言葉は零れる]
でも、
/*
[辛うじて見つけた1枚のチラシを手に、3年教室を後にする。
日程しか書いてないそれが手がかりになるとも思えなかったが]
[さてどうしようか、と思った所で、人影を見つけた]
――コウイチ君?
[教室の入口から声をかけた]
昨日、夢じゃないよね?
[手にしているチラシを一瞥し、近づいて差し出す]
アンと、あの先輩、これに参加してたって言ってた。
終業式の晩、ってしか書いてないけど。
こっくりさんでもやったのかな。
*/
あまりに堂々と、授業を聞いてない風の後姿が
誰も近寄らせたくなさそうな空気が
授業中、気になって仕方が無かったんだ。
ふしぎな好奇心。
/*
『まだ』?
え、っと。私が……?
[からっぽになった両手を組んで、指先にぎゅっと力をこめる。
コウイチの表情を伺おうとするが、よく見えなかった]
もし、どこかに連れていかれてるなら、そこから戻れるようにしてあげたい。
でも、どうしたらいいのかわかんない。
[俯きかけたまま、コウイチを見据えて]
怒ってるの?
いる限り。
[その言葉は、自分が知らず祈っていた事柄を表層に浮き立たせる]
いなくならないで。
[自分の指先の怠慢な動きを目で追う。
コウイチのシャツの袖を、つい、と引っ張った]
*/
なんて、自分勝手な願いだろう。
昨日の晩、目の前で人が消えたとき
いなくなったのがあの人であることに
私は少なからず安堵していたんだ。
/*
大丈夫じゃない。
[何者がどんな力を持ってそれを引き起こしているのかもわからないのに。
声が震えている気がしたが、ざわめきが大きすぎて定かではなかった]
……人の気も知らないで。
[握られた手を、振りほどこうとした]
[歩き出すコウイチを追って、手を伸べ、彼の指先を掴んだ]
怖いんだよ。
すごく不安で仕方ない……。
――そばにいてほしいって思ってることに、気付いて欲しかったんだよ?
[涙声が、情けなかった]
[手など握っていても、いなくなるときはきっと煙のようにすっと消えるのだろう。
思うと、手のひらにぎこちなく力が入った。
不安はますます大きくなる]
鞄……。
[そのまま3年教室へ置き去りだった鞄を取りに行き、ぐずぐずと鼻を鳴らす]
泣いてるんじゃないから!
[手は、依然としてひしっと握り締めている]
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