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こんなのはどうだろう。
『人攫いは森下紅葉である』という手紙が来て、口封じに攫われた。
[扉の横の壁に背中を預ける]
なんてね。
人を無闇に疑っちゃいけない。
仮にそうだとしても。
攫って、それで?
[口元に手を添えて、店内の客を見渡す。
従業員が消えた店に毎日やってくる自分達は少しおかしいのではないかと思いながら]
きっと手紙はもうないんだろうし、
訊いてもどうにもならない気はする。
[指先で毛先をくるんと巻いて弄ぶ。
視線を一瞬ナオへ向けた]
“人攫い”って何が目的なんだか。
[外からは蝉の声が届き、店の片隅のラジオからは、高校野球の様子が小さく聞こえてくる]
狐でも魚でも……。
[ナオの言葉を聞いた途端、思い出されたのは]
たいやき。
[巨大なたいやきが人を咥えて逃げていくのを想像してしまい、笑いがこみ上げる。
不謹慎だと思って、堪えようと手で口元を覆い俯いた]
はー。
[肩を震わせていたが、長く息を吐き出して顔をあげた]
たいやきは、秋か冬に食べるものだと思う。
[目尻にわずか滲んでいた涙を指先で拭い、ナオの顔を見た]
ん?
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