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[刹那――斧の天地が翻る。
がぼッ と石突が鎖骨に嵌る音と共に、
長柄が色狂いを強かに弾き飛ばす。]
…
這う場所を間違えるなよ *濡れ蜥蜴*
[男は佇み魔を待ちて…迎えには行かず。
あるいは、届かせてみせるかと
この地での常のように斧担ぐ姿ではなく、
片手に立て斧を携える――かつての*不動*]
[故を問われる導き手は、
今も昔も、途方に暮れるまなざしをする。
友人の長子たる教え子に
一人称を持たぬ故を問われ、
『 …
"おおやけ"と"わたくし"は、
同じものであるので。 』
――そう応えたときのように。
乾いていてさえ濡れた海草のような
彼の縮れ髪をぎこちなく梳いて――
奈落の水底へそっと*突き放した*。]
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