189 あおいろ幻歌
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学生 ハツネは、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]
2016/07/18(月) 18:27:28
(-17) 2016/07/18(月) 21:12:49
(-18) 2016/07/18(月) 21:13:29
─ 展望台 ─
[年配者らしい、微笑みながらの穏やかな対応に、>>38
不安ではちきれそうだった初音の心も少し落ちついた。]
はい、青い……波のような青い色が迫ってきて、
それが消えたら、兎が。
[背筋を伸ばして立つ兎の姿は非現実的で、アニメか人形劇の登場人物のそれ。
「邪気は無かった」>>38と言われれば、そうかもしれないと思うけれども……。
「ここは「現実」ではないのかもしれんのぅ」>>38と、
おっとりした口調で紡がれる老人の言葉に、]
そうですね、
不思議……としか……
[初音は同意する。
白い灯台を見やりながら。]
(40) 2016/07/18(月) 21:31:51[展望台]
[音楽が聞こえていないという相手に、>>39
初音はふと気づいて、あっと小さく声を上げる。]
わたし、澤初音と言います。
3年生です。
[名乗って、一礼した。
人間同士のやりとりに退屈したのか、
傍らでゆらゆら尾を揺らしていた猫が動いた。
その場を離れ、とてとてと歩き始める。
特に何かを警戒しているふうではなかった。
初音はその小さな背中を、なぜか頼もしく感じて。
追いかけようと足を出した。**]
(41) 2016/07/18(月) 21:45:20[展望台]
学生 ハツネは、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]
2016/07/18(月) 21:47:20
学生 ハツネが接続メモを更新しました。(07/18 21:47)
[自己紹介を交わすと、初音にも微笑む余裕ができた。]
ウミさん、ですか。>>42
よろしくお願いします。
[猫の名前を教えられ、]
ミモリちゃん?
[呼ぶが、猫はそのまま、灯台の下にある海岸へ降りていくようす。>>43
追いかけようと数歩進めば、
ウミからは「気を付けてな」>>42と声だけかけられた。
どうやら、彼はこのまま展望台に留まるつもりらしい。
老人をひとりで残しておくのも気になるが、
初音はもう1度軽く頭を下げると、歩き出した猫を追いかけた。
海岸へつながる道は下り坂と急な階段で、
ウミの足には負担なのかもしれないと思い直して。**]
(46) 2016/07/18(月) 22:27:45[展望台]
学生 ハツネは、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]
2016/07/18(月) 22:29:47
─ 展望台→海岸 ─
[灯台の裏手からつながる海岸への道は、
下り坂と幅の狭い急な階段につながっていた。
むきだしの鉄棒のような手すりが付けられているけれども、
喜んで通るのは猫か、やんちゃな小学生男子くらいと思われ、
初音はウミが来なかった理由を察した。
ヴァイオリンケースを片腕でしっかり抱え、
もう片方の手で手すりと学生鞄を握りしめながら、
初音は慎重に海岸へ降りた。
潮風が気持ちいい。
大きく息を吸い込みながら、今来た道を見上げる。
周囲の繁みからは朝顔の花と蔓が、
まるで何かをつかもうとするかのように伸びていた。]
(48) 2016/07/18(月) 23:04:48[展望台→海岸]
(-19) 2016/07/18(月) 23:43:22
/*
うーん、イメージを変更しないと。
もっと僻地なイメージだったけど。
(-20) 2016/07/18(月) 23:50:09
─ 海岸 ─
[波音のせいか、歌声>>#3はもう聞こえなかった。
尻尾をぴんと立てた猫は、
コンクリートの防波堤の上をすたすたと歩いていく。>>51
猫の斜め後ろを歩きながら、初音は思う。
この海岸を歩いたことはあっただろうか、と。
チェックしたスマホの表示は意味をなさず。>>49
ウミが語ったように、ここは過去の世界>>38なのかもしれない。
どういう理由でかはわからないが、
あの兎>>#2に呼ばれたような気がしていた。
探しものを手伝わせるために。]
でも、何を……?
[考え込む初音の足はいつしか止まっていた。]
(55) 2016/07/19(火) 00:00:06[海岸]
[何かを伝えたいのか、「なぁう」と鳴く猫>>51に促され、
われに返る。
追いつけば、視線の先に人影らしきものの動きを認めた。
初音は影の正体を見定めようと伸びあがる。
近ければ、声を出して呼びかけるだろう。*]
(57) 2016/07/19(火) 00:02:13[海岸]
学生 ハツネが接続メモを更新しました。(07/19 00:05)
[影の正体を見定めようと小走りに近づき、
防波堤の上に半ば身を乗り出して伸びあがれば、
それは、海風に揺れる朝顔の葉と蔓の塊で。]
……そんな……
[浜辺にある海の家>>0:51の周囲を包むように、守るように、
緑の葉を広げ、蔓を伸ばしている朝顔の塊が、
おとなう者を手招きするかのごとく、
揺れていた。
色とりどりの朝顔の花は、あたかも営業用スマイルを貼りつけた顔。]
(72) 2016/07/19(火) 01:47:38[海岸]
[初音はウミがかつて灯台守であったことも、>>0:30
浜辺の管理を任されていた>>0:51ことも知らない。
ただ、その海の家が無人であることをわけもなく確信し、
数歩後ずさった。
表情を強張らせ、背筋に冷たい汗をかきながら。
ここは朝顔の町の一部だ。
ウミがおっとり語ったような、過去>>38に戻っただけの町では
なさそうだった。
初音はミモリの姿を求め、防波堤の上へと視線を走らせた。
猫がまだ自分に視線を向けていれば、>>69
防波堤から離れて日陰へ入り、]
ミモリ、こっちへ来て……
ね、誰か他のひとはいない?
ウミさんとわたしの他にも、誰か人間が近くにいない、かな……?
[心細さの滲んだ声で、そう呼びかけるだろう。**]
(73) 2016/07/19(火) 01:56:37[海岸]
学生 ハツネは、メモを貼った。(内容)[メモ/履歴]
2016/07/19(火) 01:59:17
[朝顔に つるべとられて もらひ水
その句を詠んだのは、
加賀千代女(かがのちよじょ)として知られる女流俳人だった。
朝顔を多く題材にしたので、出身地の旧松任市や合併後の白山市では、
市のシンボルとして市民に広く栽培を奨励している。
朝顔。
隣接するK市生まれの初音にとっても、それはありふれた、
親しみやすい植物、のはず……、
なのだが。]
多すぎる…………。
[初音はつぶやく。
タブノキの木陰で汗を拭きながら。]
(77) 2016/07/19(火) 17:24:55[海岸]
学生 ハツネが接続メモを更新しました。(07/19 17:26)
[野生化して長いのか、この町では直植えする習慣なのか、
一年性植物とは思えないほど、朝顔はあちこちで繁茂していた。
海の家のように、小規模の建物の中には蔓と葉で半ば覆われているものもあるほどだ。
そして、それらが競うように花を広げていた。]
ミモリはどう思う……?
わたし、考えすぎかな……
[猫はついてきてくれただろうか。
まだ近くにいるなら、そう声をかける。]
(78) 2016/07/19(火) 17:28:52[海岸]
[ねっとりした汗と、それに伴う不愉快さは、
ハンカチで拭いた程度では治まらず、]
……どうしてなんだろう。
ここが本当に現実じゃない、なら
わたしたち、過去の世界に迷い込んだか、
呼び集められたかして……
あの兎、「時計の『鍵』と『螺子』を探してる」>>#2と言ってた。
「カタチがわかんない」とも……
わたしたちに探させようとしている……?
でも、「誰かが持ってるのか」とも。
ここにいる誰か……
[とりとめなく、整理されないままの思考を初音は口に出した。]
(79) 2016/07/19(火) 17:33:46[海岸]
[初音は耳を澄ませる。
波音だけだ。
音楽は聞こえない。]
……誰か、探そうか。
きっと、ナミさんとわたしだけじゃない。
この世界に呼ばれたか迷い込んだかした人が、
他にもいると思う。
[猫にそう決意を告げると、初音は木陰に学生鞄を置き、
ヴァイオリンケースを開けた。]
(80) 2016/07/19(火) 17:39:26[海岸]
[手の汗をハンカチでよく拭うと、ヴァイオリンを取り出し、
緩めていたペグ(糸巻き)を調節する。
4本の弦を順番に指で弾き、音叉と音を聴き比べること数回。
取り出した弓のねじを回し、弓毛に松脂を塗り、
初音は立ち上がった。
呼吸を整え、あご当てに布を挟んで、肩と顎でしっかりホールドする。
弓を構えると、まずは練習がてらに短い曲からと思い、
エドワード・エルガーの『愛の挨拶』を奏で始めた。]
(83) 2016/07/19(火) 17:55:57[海岸]
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