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これだけの人間を連れてったんだ……。
[──死んだら、カミサマのところに行くのよ──]
死んでからならいくらでもそっちに行く。
オレの知り合いだって、友人だって、カミさんだってそっちに行っちまってる。オレだって棺桶に片足突っ込んでる。
だが、生きてる間は──ダメだ。
[もし自分が、カゼガミの手を取れば、テンマのようになるのだと知れた]
[たとえ皆が守れるのだとしても、何かを得られるのだとしても、あんな辛い顔をして誰かを傷つけるのはごめんだった]
オレは……栗田君の言うことを信じてなかった。天馬君に酷いことを言った。
綺麗事だけで、いろんなことを忘れてるし、何もしてねェ。
口先で「すまん」と詫びるだけなら、簡単だ。
(人を殺すのを躊躇うのに、神なら──兎ならいいってか……最低だな)
[髭の三つ編みに触れた。心の中で自嘲しながら続ける]
カゼガミサマ。あんたはしらねぇかも知れないが──昔、ここの村人がどれだけカミを思っていたか、証拠を見せてやる。
[半分以上はハッタリ。しかし断片的な記憶から閃く予感がある]
[ゆるりとニキとチェロに手を伸ばし*神社へと誘う*]
[バクの血にまみれた姿に驚き、続く言葉>>24>>25で、事情を理解した]
(ああ──結局、この子に手を掛けさせたのか)
[きつく目を閉じる。
自責の念で動けなくなるのは、まだ早い]
あぁ。
[傷ついているのは、体ではないと知っていたが、掛ける言葉も無く、バクの背中にそっと手を置く]
[そうして、新たに得た情報の行き着く先に、すうっと頭が冷える。『ニキがいればいい』と言っていた【カミ】が、自分に声を掛けた理由に思い至る]
(天馬君が死んだからか──カミは、誰かを使わなければ、力を振るえない?)
[自分の思考を悟られたような、バクの鋭い言葉>>25にぎくりとする]
ところで……。
結局誰が何なんだろう。
テンマ、ニキ:狼
バク:狩
タカハル:狂信
アン:小悪魔
いやフユキ氏人外だよね?
……もうおいちゃんには分かんない。
[遺体を何とか移動させようと動く姿に、なぜかテンマが被る]
……。
[反射的にそれを手伝おうとして、手を止めた]
獏君。オレはちょっくら行ってくらァ。
すまんな。全部終わったら、手伝うぜ。
[無理やり笑顔のようなものを作って、軽く肩を叩いた]
─参道─
[息切れする]
重い……。腰が痛い。
[ポリタンクを下ろし、立ち止まる。疲れだけでなく、足取りが重い]
[騒然と咲き乱れるハナミズキたちを眺める]
ご先祖さんたちは【カザガミサマ】に恩恵を受けていたんだろうに──なんで、こんなことになったんだろうなァ。
[行き違う一方通行の思いたち]
『私の想いを受けてください』
[そんな花言葉の木々を、自らの死体の上に植えた村人たちを思った]
[神社の鳥居を潜る時に、ぞわりと怖気を感じた]
[それでも、足を止めずに、まっすぐに歩く。
ひとつだけ花が咲いていない、異様に古いハナミズキの前にたどり着く]
望ちゃん……危ないからそこをどいてくれねェか?
[木の横にたたずむニキに、声を掛ける]
あ!
タカハル氏の……儀式邪魔してたらごめん……!
……いま、きづいた……orz
う、裏でやってるとか、どこかでやってる。
きっとそっちが効くんだよ! そうに決まってる!
そうだなァ。
誰も死にたい奴なんていないだろうぜ。
[無造作に灯油をハナミズキの根元に落とし始める]
[つんとした揮発性の匂いが、周囲に不協和音を落としていく]
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