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[そう言い捨てると同時に、小太刀が男の首筋に紅い線を描き
白装束を朱く染めていく]
早く終わらせて、バカンスの計画でも立てるネ。
[刃についた血液を拭いながら、女は目的地へと向かった**]
― 路地 ―
[一度店へと戻れば、仕事用の道具を詰めた荷を抱え、再び外へ。
頼まれ事は、明確な依頼で無くとも一応は調べておくかと、話題の場所へと足を向ける。]
……あン?
[通り抜ける路地の影に、見知らぬ黒い帽子>>3。
眠っているようではあるが、無造作にもほどがある。
死体にも見えないと、殺気を向けるではなく単に睨みつけるも、眠っているのならば気付かれないか、あるいは。]
旅人カ……命知らずカ、自信家カ。
この辺りハ物騒モ多い、気をつけることダナ。
[目深な帽子が上がる事はあっただろうか。
今は仕事を優先するも、何か返る声があれば話くらいはしただろう。]
― イケニエの祭壇近く ―
[祈る弱者に、単なる野次馬に、あるいは宗教じみた白装束に。
その周囲には、普段とは比べ物にならないほどの多くがざわめいているか。とはいえ、人気さえ疎らな常よりも、というだけで然程多いとも言えない人数。
その中に情報屋は紛れ、周囲から聞こえる声を拾う。]
……バカバカし過ぎテ反吐が出るゼ。
[ぽつりと落とすのは、あまりに滑稽なイケニエと宗教論について。
一度その近辺から離れると、まだ高さをある程度保つビルの階段を登る。
天井がすっかり消えた最上階、真上は羽ばたきが在れば直ぐに見つけられる、赤く濁る空。
粗末ながらも多少の効果を期待できる集音器と双眼鏡を構え、祭壇を伺って]
……ハハッ、あのネーさんは派手だねエ。
[飛び散る飛沫に染まった白に、苦笑した。]
―砂塵の街―
[塵に塗れて倒れ居る旧友をちらと見遣る。
街の乾きを潤す如き有体が、然し『否』と
――贄の肩代わりでないと聴いたその意が
耳の奥へ残る。ゆっくりと、視線を戻す。]
…
[薬包含むサンテリの様子には面持ち曇るも、
薬効の廻りゆくと思しき間も声は遮らない。]
ん。… ん
[渡すのはひとつ、ふたつとごく浅い頷き。
声でなくとも言を継げるはずの手は握って]
[つられ、感じる息苦しさに目を細め――
軽業師は、ふと
真っ赤な相手の目から
唐突に僅かだけ上へ視線をずらすと
サンテリが剣携える逆方の脇へと疾駆した。]
[ごぼっ]
[ごぷっ] [ぷっ]
――――…ひゅ……はぁ―――……
[一際大きな血の塊が頚から吐き出された。ドクリ、と軽業師の指で千切られた筈の血管の表面が傷を繋いでゆく。]
……げほっ…ぅ………うぅ……
[気管から這入り込んだ血液を唾液で薄めたものが、口元から垂れて、砂塵と混ざり合う。]
う……うぅぅ……――
[両手の指先に力が篭り、手と額を支点にして身体が僅かに持ち上がった。]
[―――その研究施設では非人道的な研究が行われていた。其れが、コワレカケタ世界に置ける救済の術であるのか、抗する為の技術を探し出す為であるのか、技術力の高い有翼人と対等に在ろうとする為なのか、真実は研究施設を設けようと考えた者の頭の中にしかない事だろう。]
[研究施設での人体実験は多岐を極めた。試験管>>0:24で人工的に生み出された生命体の結果は、より完成度の高い存在を生み出す為にフィードバックされ、実験体自体は永劫『檻』の中に鎖される侭だった筈だ。]
うぅ……――――
[べたりと瓦礫に血の手形が付く。『縄』の痕は其のままに、頚の傷痕から血の滴りは殆ど止まっている。
其れでも、脳も心臓もなくなれば、死ぬ。]
――――……―――
[そして、餓えても。]
(牽制か、あるいは何かの予備動作か?)
[抜刀するには間に合わない。軽業師の突進を、鞘の横腹で受ける。後じさりながら抜刀。振り抜いた先に軽業師の姿は既に無い。
自由自在に空間を動き回る、曲芸めいたレーメフトの動きはどんよりと赤い軌跡を引いて、油の中の情景のように引き伸ばされて映る。己の剣先が引く軌跡も同様に。妙にゆったりとして見える。
己の剣戟には花や娯楽は無い。ただ純粋に、殺害のためだけに、あるいはその隙を作るために、軽業師を捕らえようと奔る。
神経、感覚が高揚。露光しつづける写真のような情景。軌跡ばかりが増えていく。斬撃。戦闘への高揚ではない。受けた傷の事は意識の外に。出元も不明の薬だが、効果は十分だ。化け物めいた連中と渡り合うには。一時的な覚醒作用のためだ。
軽業師の一種、優雅な挙動が時折認識を遅くする。致命的な一撃の瞬間を待つ。]
[殆ど真っ赤に染まった世界の中、新たな物音を聞く。
男の認識の中では、死体、が、奇妙に蠢く。――死んではいないのか?]
[レーメフトとマティアスの関係性は分からない。マティアスが己の敵か味方かも。]
[一度レーメフトとマティアスを見比べ]
ち。
[剣をおさめる。]
[鞘で金貨を何枚か、軽業師に向けて弾き]
代金だ。君の命とあわせて取っておくといい。
お、ろ、か?
[口元から垂れる血混じりの唾液を指で掬い取ると舌で舐め取る。]
……アルコール?知らない匂い。
何だ、それ。
[2012年というラベルこそ見えないものの、砂塵の地面に置かれた酒瓶へ不思議そうな意識を向ける。合成物ではない、純粋な酒。]
[言うなれば、意識に持ち上がったのは好奇心。
チリ…耳飾りが乾いた音を鳴らす。]
…―――…それは、何?
[問いかけは短く。風の中に消える。
拳が緩み、指の隙間から砂が零れ落ちる。地面に落ちる前に、つむじ風に攫われて何処へともなく消えてゆく。]
……―――
[軽業師に手を向けた時>>0:98のように、
執行人へ向けて手が差し伸ばされる。]
―――…教えて、くれる、かなぁ
[その時と違うのは一点。
男の下向きにした掌に、周囲の砂塵と硝子片と金属片が緩い渦を巻きながら浮かび上がり、集まってゆく。*]
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