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……っし。
頑張れ、俺……!
[ぐ、と拳を握り締めると、山の中を駆け出した。嵐の後で、悪い足場に時々転びかけ、というか転びながらも。体調は先程以上には悪くならず、むしろ回復していっていた。その理由を男は知らなかったが]
……よ、しゃー!!
[<19>分程いった頃か、届いている携帯の電波に、泥と水で汚れた姿でガッツポーズをとった]
じゃあ、とにかく、早く電話を……
[と、携帯のボタンを指で押しかけて]
……
[木々の間から見える崖に、ふと、思い出したように胸ポケットに触れ、その中にあるそれを取り出した。
くすんだ真珠の付いた、銀の指輪]
……もう十年、なんだもんな。
[呟いては、崖の縁に歩み寄り]
[その手の内の指輪を崖の向こう、開けた空中に向かって投げた。指輪は超豪速球のように飛んでいき、すぐに消えて見えなくなる。それを確認してから、溜息を吐き、小さく笑った。どこか寂しげに、だが清々しげに]
じゃ、電話するか。
[そして、男は目的を果たした。……通話する途中で何かが背後を通った気がしたが、気にしない事にした。例のハリセンも山荘の部屋に忘れてきてたし。]
[男が山荘に戻ってきた時、レンの姿はそこにあったか。どこかに消えてしまっていたのかもしれない。
嵐の中で起きた嵐のような事件は、静かに終わっていく。静かとは程遠い性格の男を*残して*]
終わらせたよ……!
色々と無理矢理ですが気にしません。
電話は警察やら病院やらに。
ちょっと一旦離席です。そのまま寝るかもですが!**
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