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[しかし――
その不思議な光景に、恐怖や気味の悪さを感じることはなく。
何故だか、ひどく寂しい気持ちになって、
マティアスに声をかけて、ひとり、階段を降りていけば、ちょうど彼女と顔を合わせただろうか]
[階段を降りていくと、イェンニとばったり出会う]
…良かった。
[口をつくのは、安堵の言葉。
蜂をどうしたのかは、問わない]
あのまま、どこかに行ってしまうんじゃないかって、思ったから、戻ってきてくれて良かった。
[暗に、窓から見ていたことを告げれば、敢えて問う必要も無いだろうから]
…そうだな。
風呂、行って…血を流してくる。
マティアスにそう、伝えておいてくれないか?
[すれ違いざまに、いつものように頭をぽんと叩き…
そのまま、イェンニの体を軽く抱きしめる]
悪い…少しだけこうさせて。
…俺、どうしたらいいんだろうなあ。
[すぐには答えの出せない自問に、男の眉間にしわが寄る**]
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