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― 4F・本屋内 ―
………えっ?
[次に目を開けた時、私がいたのは、私の世界ではもうお目にかかれないもの ―― 本屋さんの中だった。
電子媒体が主流になって、私の世界からは紙媒体が消えていった。
今でも存在してはいるけど、それだけでお店を開けるほどの量は流通してない。
だから、棚の上に平積みにされてる本を見て、とてもびっくりした。
うちの家には割と本が沢山あったけど、それもおばあちゃんがコレクションしてたから、ってだけだったし。
それに、何より。]
これ…………おばあちゃんの、
[私のいる位置の傍らに積み上がっているのは、おばあちゃんがお気に入りの推理小説。
黄ばんでもいなければページがよれてもいないそれは、明らかに新品のもの。
おばあちゃんが持ってる年代物とは大違いの。]
[大きな寸胴は湯気を上げていたから熱いと判る。
当たりを見渡すと灰色の厨房の中だが
いきなり移動するのは2度目だから少し、慣れた]
…始まった、って事か。
[長杖を脇に挟み調理台に凭れて書を開いてみた。
宝箱の中で触れたもの。
ページを捲ると流れるような文字が増えていた]
[世界がどうとか、生きるとか死ぬとか。
そういうのを考えるのは恐ろしい。
予想図を見たから余計に、他の世界を壊すのも、自分の世界が壊れるのも怖い。
でも。]
……おばあちゃん、喜ぶかなぁ。
[この新しい本を持って帰ったら、きっとおばあちゃんは喜んでくれる。
その為に、生き残る努力だけはしてみよう。そう、思った。]
[いきなり鞄の中で、端末が震える。
それを手に取れば、映るのは「Game start」の文字。
画面に触れると、それは割れるように砕けて、勝手に日記の画面が起動する。
内蔵されてる、ってだけで一度も使ったことのないそこには、私が本を買ったことが書かれてあった。
書かれてある時間は、……さっきより、随分前。]
……現状把握。それと何だろ。何が必要かな。
[考えながら、私は飴を一つ、口に入れる。
甘酸っぱいレモンの味は、頭を少しだけクリアにしてくれる。
本屋を出て、辺りを歩き回っていれば、お目当てのもの……フロアマップは、すぐに見つかった。]
―おもちゃ売り場―
[箱の上でサルのぬいぐるみがシンバルをがしょんがしょん鳴らしていた]
うわっ
[びっくりして後ずさりする。]
ここは……ぬいぐるみ売り場?
[紋付黒袴の自分には似合わぬところであったし、何やら手に持っているタブレットもイルミネーションを輝かせている]
[どこか落ち付けるところはないかと顔を、上げればいい表示がみつかった]
―4F 男子トイレ個室―
[個室の鍵をしめ、洋式便座を閉めたままそっとタブレットを確認する]
ごくっ
[よくよく見慣れた窓が開いていた。吹き出し、発言、内容]
今から10分後、20分後、……すごい、これが全部おいらの未来……
[スクロールしていくごとに未来は増えていくようだったが、今ふと、自分の未来以外に、別のチップが別の発言をしているのが見えた]
[表に書かれていた文字の意味。
魔術師の扱う言葉で、「日記」だった。
パラリと捲る。文字を、読む。]
なんだ…?
「11th ソラは武器を手に入れる」?
ん…別のページにも何か書いてあるな。
「12th ネギヤはサルのシンバルを見る」
――成る程。
[把握して、呟く]
[記憶にない未来のスケジュール内容を思考する。
更に書き込みが増えている事に気付く。]
11th…
[彼女の現在地を知るには十分な情報が
そこには追加されていて、]
しかし、なんで 彼女かね。
/*
となり同士だからさ!
となり縁故はいいものですね
0thの行動をのぞきみたくて12th狙って入室したので←
0th日記を覗くに決まっているじゃないかぁ大げさだな
流石に、原作12thみたいに全部覗き見はあれだしな
[調理台の向こうでネギを切る男がいる。
その手にした銀を見て、声をかけた]
おい、その手にした武器を寄こせ。
[男は素直に包丁を差し出してきた。
手にして、柄を握ってみる。軽い。]
丁度良い。
短剣が錆びて使い物にならねぇんだ。
交換してくれ。
[白の上着を捲ると、脇に下げたホルダーから
装飾の凝った短剣を取り出して男に差し出す。
そして代わりに、包丁を差し込んだ]
さて…とりあえず武器は手にいれた。
どうして行くのが得策かな。
[ページを捲るも自分の未来の文字は増えていない。
壁に背を着けるように警戒しながらうどん屋を出た]
[手にした手帳を見ていれば、何時間か先の未来も記されている。
それとは別にいくつかの情報もまた――]
これって、3rd……となりのあのこの?
[3rdが本屋にいるという情報。
カメラとやらでフロア案内図の写真をとったとか。
よく意味のわからない情報も、ある。
とりあえず、手帳に、「屋上にいる」とメモを取った]
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