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あの子?
『お客さま』の中に特に親しくなった人が居たなんて聞かなかったけど…。
[他人の、それも母の秘密を覗き見しているようで座りが悪い。しかし興味がないと言えば嘘になった]
ママ、その人のことが好きだったのかな?
それでもよかった。
ただ、
[花でも咲けばいいと思っただけ。
一縷の望みに賭けてみたかっただけ。
男は、呪文のように口元を動かす]
たりねぇよ。
[震える両手で、顔を覆った]
「きゃ助っ人」というアホい変換のままぐぐったら
「もしかして キャスケット」
…間違えたんじゃないんだ。
試してみたんだ!!
…ナースキャップを被った人の煽りの角度って、キャップがすげー可愛くなるんだな……!!!!?
タレ耳っつーか、リボンっつーか、そんな感じだ。
何がオレの心をこんなに鷲掴みにするんだろうこれ。
やべー、変態くさーい。
も、もしかしてオレ、ニーナがめちゃくちゃ好きなのって
ナース服だからだったりするのか…………?
違うって言ってくれ誰か。
それともアレか、ボブヘアー+ナースで駄目押しコンボ?(苦悩している)
そういや、「酒は明日を忘れさせてくれない」とかなんとか言ったけどさー。
あれって、今日の用事が嫌すぎて忘れたかったから出てきたセリフだよなぁ。
もう「明日」じゃなくて「今日」になっちまったよ!ジーザス!
さて寝よう。
[湿度の高い空間の中、男の身体はじわじわ汗ばむ一方だった]
あっちぃ……。
[うわごとのように唸る。
起き上がる気力は沸かない。
降り注ぐ甘い芳香を吸い込めば吸い込むほど、男は*酒を欲した*]
なんでもよかったんだ。
[それは、寝言かもしれないし、独り言、あるいは話し聞かせる声なのかもしれない]
「明日」になんの望みもない自分から変わりたかった。
笑えるよな。
こんな年になっても、何したらいいのかわからねぇなんて。
よっ、と。
[男は勢いづけて起き上がる]
でもオヤジは年の功で知ってんだ。
何かすれば、風向きは多少は変わる。
[小瓶を一つ飲み干して、中に土を詰め込む。
男は、ニヤニヤと笑い、その重さを確認する]
監禁される趣味はねぇんだよ、っと。
[緩んでいた顔が一瞬引き締まり、男は小瓶を全力で投げ付けた。
四角く区切られたガラスに向かって]
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