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[透白な頬、零れるほどに見開かれた瞳。
もがくかたちに強張る手足は、
腱を切らねば伸ばせない硬さ。
檻から引きずり出せば、水吐くしかばね。
何かの拍子に震える声帯が、断末魔めいて
ごあ、あぁァと奇妙な音を撒き散らした。]
[桟橋に乗り上げた船の残骸――己が常宿を
見遣って、斧担ぐ壮年の男が溜息をつく。]
…さすがに、もどる気がせん。
[供儀の昨晩、男がいずこへ一夜の宿りを
求めたか――あるいは心当たる者もあろう。
檻もろともに波をかぶったらしき塒の船は
さておいて、斧の頭が地へと下ろされる。]
ふむ…
[死骸を前に一同を見遣り*顎を撫でた*。]
…従士長殿、
[えづく赤毛の男へかける声はかつての呼称。
したたる黒い粘液にみるのは昨夜の予兆――]
魔物 … ――そのようなものに
生贄を捧げるという話では…
なかったはずだが、
[違ったのか。違ったのだ。
魔性露わな徘徊者の存在。
遠い納得を示すように、語尾は続かなかった。]
…彼は、
不正で連座処刑を受けた一族の 子弟だな。
[くろぐろと示されたヘイノの名を受け
伝えるのは、いまひとりの同郷の士へ。
一族と交友あった執行人が自害を図ったと、
そのような記録が付随する一件を簡潔に。
妄執の僧へ口を挟むのはためらわれ――
猿轡の道化と無気力な男へ見解を添えた。]
… 殺すもの である*らしいよ*
[刹那――斧の天地が翻る。
がぼッ と石突が鎖骨に嵌る音と共に、
長柄が色狂いを強かに弾き飛ばす。]
…
這う場所を間違えるなよ *濡れ蜥蜴*
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