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[潮騒は遠く近く、不安を煽るような響き。
長柄の斧担ぐ男がやがて浜辺へ降りてきて、
――どさり。桟橋の渡り口に薪束を置いた。
とらわれの贄に声をかけることはなく。
まして火種を添えてやることもしない。
最後の薪束からは1本抜き取って――――
浅瀬で死体さらいをしながらぐらつく男の
背中へと、正気づかせか無造作に投げつける。]
残りがあまりいちどきに死んでしまうと、
ああする意味がなかろうよ。
[夜警装束を着込んだ男へ、檻を示して言う。
学者が遠巻きに熱っぽく関心を寄せる其れ――
生きて冬を越す。そのためだけの儀式殺人を。]
…そういえば、
今日の薪はサトウカエデの株だった。
樹液が採れずに切り倒したのだろうが、
[微かに流れくるのは焚火の匂い。
砂を踏む。置いていくひとり言。]
煮出せば
あるいは少しくらい甘いのかもしれんね。
[ラウリの死体は、*上がらない*]
[熾火の匂い辿る歩が、網小屋の前を横切る。
ちらと見遣る。其処を塒とする無気力そうな男
――――エリッキが出てくる様子はまだない。
"漁"を空振りで終えた男――ヘイノがやがて
小屋へと濡れた網を投げ込むかもしれないが、
通りすがりは特に知らせもせず先へ向かった。]
失礼を。
[声をかけるのは、扉のない船小屋の入口で。
認識する"境界"の手前に直立し、火種を分けて
もらえないだろうかと依頼するのも慣例めいて*]
[火つきのよくない薪は、爆ぜる音も煙も多い。
無くとも扉、とばかりに佇む手前。
斧の男は、熾火の向こう鎖の男と向かい合う。]
… いいや。
[常ならぬ応対に開いた間のあとのいらえ。]
執行人は、仕事を迎えに来たりはしないよ。
[貰う火種は、薄く凹んだ缶へそっと収める。]
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