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[映し出される画像にぞっとする。
理由は大切な人の死を
目の当たりにしたからでもあり、
自分の住む「しあわせ」の表層を
剥ぎ取った本質を
見せつけられたような気がしたからでもあった]
私が死ぬと、こうなるんだ……。
[死ぬわけにはいかないと、心の中で誓う]
すべては、いらない。
少しだけでいい。
[小さく独り言を呟いた次の瞬間――
コハルは2階のジュエリーショップの
*片隅にいた*]
[自分には似つかわしくないきらびやかかな空間を歩く。
そこで世界一硬い物質と名高い宝石をあしらった
ペンダントが目に入って]
さすがに「このペンダントがなかったら即死だったぜ」
て、あるわけないよね。
ご都合主義すぎるよ。
[そこに入る一通のメール。
それはコハルがプレイしている携帯用ネットゲームから送られたものだった]
『milkさんからメッセージです。』
どこまで人をバカにしたら気が済むのかな……!
[親友を名乗ったメッセージに怒りが隠せない]
[ただ、そのメッセージの内容はとても有用なもので
それを見たコハルは急いで1階へ向かう]
『1階の日用品売り場でスタンガンが*手に入るよ*』
[スタンガンを手に入れたところで
またもネットゲームサイトからの
メッセージが届く。
今度は親友を名乗ったものではなく
「運営から」となっていた]
『7thさんが5階に行きました』
そしたら、私にはあのドレスの人が
何をしたか分かるってことか。
逆に私の行動も誰かにばれている、と。
[その後も「運営」からのメッセージで
ザクロの行動が逐一報告されていく]
[ザクロの様子も気になるが、
近くに食品売り場があるのを見つけた。
そういえばこちらにきてから
何も食べてない気がする]
自覚するとお腹も減るよね。
[そんな独り言を言いながら
パンかおにぎりでも食べようかと
立ち寄った矢先、
皮の胸当てをつけた少女と
背の高い男性がいるのを見つける]
(えええええ!まさかのやる気!?
しかも、相当自信ありそうだし……!)
[声を出したい衝動を何とか抑えつける。
さっきの空間では状況そっちのけで
女性口説いてるような緊張感のない人と
思っていたのだけど。
息を飲んで、成り行きを見守る。
巻き込まれそうになったら、
とにかく逃げよう。
そんな事を考えていたら、マシロは逃げて行った]
[やはりごまかせる相手ではなさそうだ。
向けられる言葉は挑発だろうか。
だが、さっきの様子からすると
正面から向かって勝てる相手ではないだろう]
要領よくやりたいだけなんだけどね。
私が手を汚すと、悲しむ人がいるから。
それに逃げるっていっても方法ないでしょ?
……守る、か。
あんな世界はどうでもいいけど、
守りたい人はいる。
難しいよね。
[最後の言葉はどこか独り言めいて]
それって、逆に言えば自分の手は
綺麗なままだってこと?
悪いけど、私はもう経験済みだから。
汚れてるの。私の手は。
[いささか気障にも聞こえたセリフに
そんな返答をする]
娘を守るために戦うってことか。
……いい話だね。うちとは大違いだ。
ま、そうだよね。
あんな世界でも、なくなったら
守りたい人も守れないし。
んー、どうだろうね?
[演技か、と聞かれれば
その答えははぐらかす調子で]
ただ、できれば戦いたくないのは本当。
だけど、どうにもできないなら
もう一度――その覚悟はできてるつもり。
例え大切な人が悲しむって言っても、
黙っていればばれないもの。
あと、あまり好戦的な態度は
取らない方がいいと思うよ。
誰かに筒抜けだから。
[グリタの姿が見えなくなってから
本来の目的を忘れていたことに気づいて
食べ物を物色しようとしたその時、
缶詰の山の向こうにいる
フユキを見つける]
もしかして、様子見てた?
気が合うなあ。
[自分も同じことをしていたことを
思い出して、そう話しかける]
そ、隣。
確か5th……とか言われてた人だよね。
[自分の情報を握っている相手だが
どこまで自分のことを知っているのか。
分からないまま普通を装ってフユキに接する]
そうなんだ。
意外と見かけないもんだよね。
[言われてみれば、コハル自身も
ここに来てから姿を見たのは
グリタとマシロだけだ]
そ、6thことコハルって奴?
ただでも殺し合いなんて
強要されてる身だしね。
警戒しない方がおかしいと思うよ。
自分の行動が分かってる相手なら尚更ね。
[そう答えるのは苦笑交じり]
威嚇はされてる気はなかったよ。
なんか呑気そうだしね。
[褒めているのかけなしているのか。
率直にすぎる感想は前と変わらず]
まあ世間話的なこととか
これからのこととか。
もしかして、そこまで日記には書かれてないの?
分かったのは、あの人が強そうっていうのと
守るものがあるってこと。
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