あなたの名前は……
[口の中で呟くのは、答えられないマミィの問い]
キクコさんはどこですか?
[ギンスイの声に視線を向けると、いつの間にか姿が見えなくなっていた末っ子の名を*呼んだ*]
……一緒?
[言われた言葉>>2:22の意味が取れなくて、首を傾げた]
え?
キクコなら、さっきまでそこに……。
[ダディの声>>0に見回すけれど、チョコケーキ待ってたはずのいもーとはいない]
……あれ?
[見回す。いない]
…………あれ?
[見回す。ダディを見る。
いつも通りだ、『変わんない』]
いつの間に、出かけたんだ、あいつ。
[ケーキまだ食べてないのに、なんて。
呟くことで、違和感から目を逸らした。**]
……離れたら、寂しい。
[それは『知ってる』]
いつから? いつからって……。
[いつから、だろう。
改めて聞かれたら、違和感が増した。**]
[気付けば、耳をうつ水音]
[無意識に握り締めていた手を開く。
ロボット柄の冥銭がそこにあった。鈍く光を放ち、少し温かいコイン]
……あぁ。
[ロボット。
心音の聞こえなかったあの人が瞼裏に過る]
[きゅっと冥銭を握り直す]
ここは、ナイル川……?
ゴロ兄、バク兄、アン姉、
ここ、に……?
[首を巡らせれば、遥か遠くに
淡い人の影が見えた気がした]
[わかっていた。
きっと、ここはナイル川じゃない。
そのまま力が抜け、その場に座りこむ。
抱えた膝の上に顎をのせた]
ダディ、マミィ、ギン兄……。
[目の前には、向こう岸が煙る川。
柔く広がる、せせらぎ]
どちらかというと、nullでしょうか。
[八の字眉をして、どこぞの国の言葉でそう言う]
家族になったのは、一生食べるものには困らせないと誓ったあの日から。
[ケーキを一口大にすくって、フォークをマミィの口元に持っていく。
そう言えば、妻はいつからどこぞの国の言葉をマスターしたのだろう?]
ギンスイさん、ケーキを持ちますです。
キクコさんは、ミシシッピ川にいますと、父の貫禄が言っていますです!
[キッとした顔つきになり立ち上がろうとしたが、足が痺れていてバンビのように*震える*]
[パイナップルののったケーキを一口。
まじめな顔は続かず、ぷっと噴き出す]
ねぇ、ピーちゃん。
わたし、パイナップル嫌いじゃないのよ。
[バンビのようなピエトロに手を伸ばし]
ピーちゃんとギンちゃんは、きくちゃんにケーキを届けにいくの?
マミィを、甘えっこのキクコさんに連れていくべきです。
[指輪をはめた記憶のない、マミィの小さな手を取る]
家族皆一緒、それが一番大事です。
[もう片方の手は、ギンスイへと伸ばす]
ふふふ。
ピーちゃんはワガママだなぁ。
[笑いながら彼の手を取る]
きくちゃんの所に行くのは、一方通行だよ。
もう、ここには、帰ってこられないよ。