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う、ぐっ……――っ
[かは、と、喉を押さえられてうめく。
かろうじて言葉が出せる程度、折られた腕の激痛と、
太ももに突き刺さるナイフが捻られる痛みに身をちぢこませ。]
――っ、わ しは…ちがっ……っ!!
[いつのまにか、杖は取り落としていた。
死に物狂いの力でつかんだ相手の左腕をきつく握り。
その腕から流れる赤に気づかぬまま、抵抗をつづけ――]
[雪で冷えた躰と、えぐられた太股の傷は動脈を傷つけたのか、鮮血をあふれさせ。
周囲の雪を赤で溶かしていく。
ナイフを抜かれれば歯止めのなくなった血はあふれ出し。
その切っ先がわき腹へと突き立てられれば、声にならぬ絶叫を上げる。]
――――っっっ!!!!!!!!!!!!!!!!
[イタイ、よりも、熱い、というべき衝撃に息を止める。
激痛に顔をゆがめ、血を流しながらカウコへと向けた視線はただただ、衝撃と憎しみとを伝え。]
ぐ、ぅ――っ
[人が増えた気配を感じるよりも、自らの体を襲う痛みに気をとられている。
喉を押さえつけられ、もはやどの痛みにうめいてるのかすらわからぬ状態で。
ぎりり、とカウコの左腕をつかむ手に力を込めるが――。
そのような抵抗がいつまでも持つはずはなく。
トゥーリッキが来る頃には、すでに失血による失神で意識はもう、朦朧としていた。]
――、……――
[トゥーリッキの声が聞こえる。
自らの杖の音が聞こえる。
示せるものは、ただ狼使いではないと――狼を呼べぬという事実だけ。
苦悶にゆがんだ顔で、色のなくなった唇を動かそうとするけれど。
言葉をつむぐことは、ない。
そして――ほどなくして血の失せた躰は、冬の女王の裾を朱で染めながらその腕に抱かれた**]
―死した後―
[――ゆらり、眸を開く。
死ぬ前の激痛を思い出して、わずかに躰をすくめ――
そして、今、瞳を開いた先に。
地に伏し赤にまみれた己の体と、常に持ち歩いていた杖を手にするトゥーリッキの姿と。
己を殺した相手の姿を見る。]
……死んだのか……
死んでもこの場所から離れられぬとは……皮肉じゃのう……
[都会に憧れ。
古い村に飽きて。
それでもそのことを正直に表に出すことすらしなかった男は、ただ皮肉な笑み浮かべて。
ゆらり、と宙に浮きながら生きているものたちを眺めていた。]
[それから誰が来たのか、手出ししたのかどうか。
背に手をついたまま、暫し呼吸を繰り返し、]
――どけ、
[右手にはナイフを持ったまま――書士に落とした最期の刃は喉。
びくりと跳ねたが最期、彼はもう動かない。]
……長老の所、行って来るわ。
[ナイフを抜いて、雪の上に落とし、こときれたビャルネを担ごうとしたところで一つ息を吐く。]
無理――今そんな力なかった。
[呟いて、ふらりと立ち上がると引き止めもされなければ長老のテントへと*向かう*]
[引き留めず追い遣らず痛ましい姿のビャルネを見て、瞬きには長い瞑目すらうまくいかず、堪えるようにきつく瞼を伏せた。キィ…―――整えるように震える白い息をひとつ吐き、彼に向き直り近づこうとして―――カウコの行動に目を見張る]
…………
………すみません…
[跳ねるビャルネが事切れ、担げずひとりテントへ戻るカウコを呼び止めず。キィキィキィ…―――ビャルネの傍へ寄り、誰に対してか項垂れ掠れる謝罪を零した。
ビャルネの瞳は開いていただろうか、開いてたなら閉じさせようと、彼自身の意思か誰かの手により閉じていたとて、車椅子から身を乗り出し、触れる。生の温もりが抜け落ちていくビャルネの額―――触れる手が震えた]
………、…―――
[死者に触れた手は静かに離れ、震えごと手の中に握り込む。溶けぬはずの雪と氷は赤黒い液体の熱に少しだけ溶けていたか、それすらも共にまた冬の女王に抱かれ凍るのだろう]
………僕もテントに戻ります…
[カウコの向かった先をちらと見てから、周囲の者たちはどうするのだろうかと視線だけが問う。ビャルネを運ぶ人手を求められれば、車椅子の膝の上ならと*申し出るだろう*]
[藻掻くほどのちからも失ったビャルネの右腕が
誰の何へと反応したものか――ぴくりと動いた。
彼のひくつく指先が、虚空をさまよい赤を落とす。
或いは、ただかき集めようとしたのかもしれない。
流れ出すいのち、やらぬと宣されたとどめ、望み。
然しその指は、宙へ何か文字を記そうとする態とも、
その場にいる何者かを指さそうとする態ともとれて]
――…
[蛇遣いは、賭けの結果を見出そうとする面持ち。]
手遅れ。 そうかもしれん。
だが、――村もそうかね? 違うだろ。
[呆と言うカウコへは肩越しの応答。ビャルネの
折れ砕けた腕を握り、意識を保たせようとする。]
…レイヨ、ビャルネに―― 否、
[車椅子を軋ませる青年の名を呼びかけ…やめる。
彼の家、卓へ薬草扱うらしき設えは見ていたけれど]
ウルスラ先生、居るかね?
気つけ薬か何かを――――
あ、ッ…
姉様?どうかなさった?
[ぐねりと動く蛇と、視線巡らす人へ不思議そうに問いかける。心なしか、期待に満ちた声色。。
視線で誘われればその答えもまた瞳の奥で。
足跡は、蛇の女と連れ添うようにもう一つ]
…あら、まぁ……
[鮮血は、望んだままの赤、紅、朱──…。
白い髪にはとてもお似合いだと、口元は緩く紡ぎ。止めに入るトゥーリッキには聊か恨みがましい視線も向ける]
私が赤好きと言ったから?見せてくだすったの?
[来いと誘うた蛇の瞳に問いかける。とてもとても嬉しそう。共にビャルネの傍にそろりと足を偲ばせると、つい、と指を這わせて赤を舐めやる]
彼にも言ったのよ。赤が好きって。覚えててくれたのは、嬉しいわ。
[ビャルネの喉に白刃が振り下りる瞬間も、伏せ目がちの瞳は緩く柔らかく見つめます]
[背に受けた、イェンニの恨みがましい視線には
気付かずも―――確信と必要を持って長引かせた
断末魔とその赤は不満をそのままにさせたろうか。
もはや骸となったビャルネに詫びて触れるレイヨの
横顔をしばらく眺めていて…やがて吐息を漏らし]
戻ることが必要なら…そうするといい。
[運ぶ手助けに関しては、黙して被りを振る。
必要なのはこの場で雪を掘って埋める人手であり、
レイヨがその作業に適しているとは思えずに――]
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