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[途中で見かけたグリタの姿には、少し驚いた顔をしてから、手を振り返した]
……やはり、消えた者同士なら見えるのだな。
[彼を見送ってから、呟く。続けてペケレに会えば]
ああ。久し振りだ。
元気、というのは違うだろうが……
今はそれほどうろたえてはいないな。
[そんな事を言って。イマリに会ったという話など聞いただろうか。それから、彼女とも別れ]
消えた人の居場所は知らないけれど。
衆目の下での犯行。
ただ攫うことが目的ならば、人知れず犯行に及べば良い物を。
力を誇示しているとしか思えんな。
[悩むように左手を口にあてます]
何かあるとすれば、神社か、蛍川か。
ううん……
[プレーチェもこの事件に関わりがあるらしいことは把握するも
肝心の『犯人』はまだ見つからずじまいだ。
あのプレーチェの様子は、少なくとも神隠しを行ってるようには
見えなかった]
――とりあえず、吉野さんのところに行ってみましょうか?
[どこにいるのかは分からないのだけど。
ともかく、動かなければ何も分からないままの気がして歩き出す。
エビコとギンスイは彼女について行ったのだろうか]
変わりたいと願えば、その先に未来はある。
[願い。己に言い聞かせるように言うと、ニキの顔を振り返ります]
もし。もし、あんたが消えたとしても。
――消えないように、覚えててやるから。
[首をこきりと鳴らしました]
[鬼だと名乗る人。ぱちぱちと目を見開く。
しかし否定する要素はない。自分も似たり寄ったりだ]
楽になりたい、というより。
どうにかしたくて、もがいている、とか。
[それは単に、自分のことでもあるわけだが]
[寂しそうな横顔を見て]
でもあなたいいひとだよ。
[彼女がしてくれたように、ザクロの頭を柔らかく撫でた]
[顔についてはよく分からないので怪訝そうに相手を見ていたが。
力を誇示している、と聞いて困った。]
――――…やっぱ…化け物の仕業なのかなぁ…。
[そうなると打てる手なんて少なく。
神社か蛍川かという言葉に顔を曇らせる。]
忘れていいよ――――けど、そう思ってくれるんなら。
[なんだか変な顔になりそうだったので。]
……ちょっとだけ…前を見ようと思う…ありがとう。
[最後はすごく小声で地面にお礼を言う形になった。]
[消沈したのち、気をとりなおし、
まず処置に困ったのは、でろでろ寸前のアイス。
雑貨屋の冷蔵庫を借りようと訪れれば、
そこで店主が消えたらしいと知った。]
さっき金平糖が降ったのは、
やっぱり…神かくしのお知らせだったのかしら。
こうして、まだまだ続くのかしら………
[冷蔵庫は勝手に拝借した。
「こっちにおいで」と認められていたあの紙を、ふいに思い出す。]
どこに誘ったか知らないけど、
こうなっちゃうと、一緒にアイス食べられないのね〜〜。
[そんな事実に、初めて気付いた風に。]
化け物か。
[微かに口角を上げました]
……礼を言われる筋合いはない。
俺がそうしたいと思っただけのこと。
[さて、と赤き木刀を肩に担いで。神社の方へと足を向けるのでした]
[写真屋が呼ぶ、担任教師の名前に初めてそちらに意識を向ける。
担任教師と蛍川の娘のやりとりの全てを理解できたわけではないけれど、彼女が自分達の為に何かしようとしてくれる気持ちが嬉しかった。
問いを重ねる光野に、困った顔で笑う。]
光野さんまでそんなこと言う。
なんでみんな、あたしの知らないこと知ってるんだろ。
神の使いとか、蛍川の伝説とか、色々言われたけどあたしにはあんまりよくわからないんです。
あたしが知ってるのは、こっちの世界はずっと昔から、いつも傍にあって、誰かを呼んでるってこと。
……あ。
[足の向くままに歩いて行った先は神社。
そこにはザクロと、先ほどまで一緒だったプレーチェもいて
少し気まずくなる]
どうにかしたくてもがいてる、か……
やっぱり……
[神社へと向かう姿をそのまま見送る。]
―――――…。
なんか…今まで生きてきた中でも…。
人じゃないのとも出会ってるのか…も…。
[右手でおでこを押さえて空を仰ぐように溜息をついた。
なんだかよく分からないけど。]
人だろうが、人じゃなかろうが。
わたしがいいと思ったのはいい。
[なんて自分勝手な理屈。]
[ザクロと、そしてさっきまで一緒だったプレーチェにも挨拶をかわし。
2人にひとつ尋ねた]
今朝消えたのって……もしかして、
[彼女が知ってるのは、誰かが消えたというその事実だけ]
[消えた人が戻ってきてほしいのも、自分勝手な理屈だったりしたが。]
お父さんも…一緒に戻ってくるんじゃないか…って思ったけど…。
それは無理…なんだよね…。
うん、ごめんなさい。
[空に向かって今度は謝った。]
蛍川…行ってみよう…。
あっちの川だよね、確か。
[白衣をぎゅっと抱えるように持って走り出した。]
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