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─ 公園傍の道 ─
[妹からのメールを待つ間、離れた位置にある池に視線を投げる]
……時の流れは早ぇ、ってか?
何であんなに欠けたんだっけ。
[普段からマジマジと見ることは無かった子供達の像。知らないうちに一部が欠けていて、その原因すら知ることは無かった]
ま、俺にゃ関係無……え?
[子供の像から視線を外そうとした時に聞こえる、鐘の音>>#0。聞き慣れないそれに思わず周囲を見回した]
この音、どっから────ぅわ!
[13回響いた後に耳に届いた砕けるおと>>#1。思わず空いている手だけで片耳を塞ぎ、軽く身を竦める。次いで誰かの叫び>>#2が聞こえて来て。
そして]
……───!?
[視界が、回る。ぐにゃりとしたそれは視覚的な不快感も齎して、一度見開いた瞳が厭うように細められた]
なんっ、だよ、これっ…!
[訝しげに呟くも、周囲の景色は完全に歪んでいて。細められた瞳は不快感により完全に閉じられる。
それからしばらくして]
…………はぁ?
いやちょっと待て、その前にお前は誰だ、と言うか何だ。
後もう少しゆっくり喋れ。
[甲高い声で早口で捲くし立てる直立歩行の兎の登場により瞳は開かれた。今のところ兎に意識が向かっていて、周囲の変化には気付けていない]
おい、だから人の話を聞けと。
[突っ込みも聞かずつらつらと並べ立てる兎。それに更に突っ込みを入れるが、相手はお構いなしだった]
ワスレモノとか想い出の力とか、何なんだよ。
あと元の時間って……おい!!
[聞きたいことは山ほどあるのに、直立歩行の兎は言うだけ言って消えていった]
─ 公園傍の道 ─
あんのクソ兎…。
……てか何で兎が喋る。
[空いた手で握り拳を作り震わせていたが、根本的な疑問に気付き一度呆ける。不意に視界に入ったのは、公園の中にある子供達の像だった]
───え、壊れて、ない…?
さっきまで欠けてたはずなのに。
[驚きいて目を円くし、ぽかんと大きく口が開かれる。次いでさっきまで居た商店街へと視線を向けると]
…看板、まだ新しい…。
え、なに、が───。
[立ち並ぶ商店の中に、真新しい看板を掲げた店があった。あの店は確か10年前に建て替えたのではなかったか]
─ 公園傍の道 ─
確か、あの店10年前に建て替えてて…。
………俺夢見てんのかな………。
でもさっきまでちゃんと起きてて…。
[瞳を閉じ、空いた手で顔半分を覆って考え込む。寝ていないなら夢を見るはずは無い。あーでもないこーでもないと思考を頭に巡らせ、ふと兎の言葉を思い出した]
…『元の時間』に、戻れない…?
いやでもそんなはずは。
……けどそう考えると合致はする、なぁ……。
[あれこれ考えて、しばらく、うーんうーん、と唸っていた]
─ 公園傍の道 ─
え、お前さんも見たのか。
そうそう、ワスレモノとか、時計が壊れたとか、何か色々捲くし立ててた。
[一応最初から聞いていたから、思い出すようにしながら言って。タイムスリップの言葉には、眉根を寄せ、片眉を上げた]
信じらんねぇけど、そう言うことになるんじゃねぇかな。
兎の話が本当なら、ワスレモノを見つけなきゃならんらしい。
それが何なのかまでは分かんねぇけど…。
[言って、眉根を寄せたまま、また後頭部を掻いた]
[少年と別れて自宅へ向かうべく、駅前公園を離れ道路をひた歩く。薬草等を自家栽培するのもあって、潮風に当たらない内陸側に家と店はあった。家へ向かうためには住宅街を抜けなければいけないため、まずはそちらへと進んで行く]
道路荒れてんなぁ。
歩きにくいったらねぇよ。
[10年前の舗装し直されていない道路はところどころ凹凸が目立ち、ともすれば足を引っ掛けてしまいそうになってしまう。ひょい、と跳ねるようにして凹凸を避けながら先へと進み、住宅街へと足を踏み入れた辺りで、女性の声>>69が上がるのが聞こえた]
へっ?
おい、何かあったのか!?
[一瞬きょとんとしてしまったが、何か異変でも起きたかと慌てて声のした方へと駆ける]
[辿り着いた先に居たのは、焦燥したかのような若い女性。自分が子供の頃から見た目が変わらない人だったのだが、とりあえず若いと称しておく]
──穂積さん?
ちょ、落ち着いてくださいっ。
何があったんです?
[母親や妹が世話になっている美容院の主の名を呼び、ひとまず落ち着かせようとする。その際に携帯のことを言われれば、ポケットから自分の携帯を取り出して状態を確認した]
圏外……ではないけど…。
[穂積とは違う形態のものであるためか、彼女のように圏外にはなっていない。使わせて欲しいと言われるなら貸すことになるが、結局は繋がらないと言う結果になった]
…繋がらなくても当然、かもなぁ。
[その結果にぽつりと言葉を漏らす。それについて問われたなら、困ったように後頭部を掻きながら説明することになる]
その、どうも俺らは変な兎のせいでタイムスリップしちまったみたいで。
信じられないかもしれないですが、ここ、10年前なんですよ。
[その言葉に相手の反応はどうだっただろうか。理解が及ばないようなら出来うる限りの説明はするも、自分も全てを把握出来ているわけではないため、どこまで理解してもらえたかは定かではない]
[携帯を返してもらって、メールは届いていないかを確認。ここに飛ばされる前に妹とやり取りしていた分以外は届いていないようだった]
…電話繋がらないんだったらメールも無理だよな。
[更に妹にメールしてみようかと思ったが、どうも繋がるような気がしなくて。試すことも無く携帯はポケットに仕舞われた]
ええと。穂積さん、大丈夫ですか?
[ショックを受けては居ないかと、様子を窺う]
俺、家に行ってみるつもりなんで、そろそろ行くっすけど…。
[もし穂積も彼女の自宅へ向かおうとするなら、彼女の様子によってはついて行こうと]
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